首長は地権者にあらためて説明要請、慎重姿勢目立つ
成田国際空港会社(NAA)の藤井直樹社長は4月10日、千葉県成田市内で同空港の地元自治体首長らと「成田空港滑走路新増設推進協議会」の会合を開いた。
藤井社長は、同空港で新設するC滑走路の用地取得が想定より遅れ、供用開始が当初計画の2029年3月からずれ込む見通しとなっているのを踏まえ、公共事業に必要な用地を所有者へ正当な補償を実施することを条件に強制的に取得・使用できるようにする土地収用制度の活用を検討する方針を報告した。
藤井社長は4月2日、こうした考えを金子恭之国交相と会談した際に伝えていた。B滑走路については延伸部分の用地をほぼ確保できたことから、C滑走路より先行して供与を開始したいとの意向を示した。
会合は国土交通省の宮澤康一航空局長と千葉県の熊谷俊人知事、成田市の小泉一成市長、芝山町の麻生孝之町長、多古町の平山富子町長が出席。参加者はC滑走路の用地に関し、地権者からの同意を得られるよう、引き続き関係者が連携して最大限努力していくことを確認した。
また、地元自治体首長からは地権者にあらためて方針の変更などを説明し、理解を得るよう求める声が相次いで出ており、土地収用制度の適用が前面に出ることに慎重な姿勢が目立った。
NAAは同協議会の後、成田空港の地元6自治体の首長を加えた「成田空港に関する四者意見交換会」も開き、同様の説明を実施した。

協議会の冒頭にあいさつする藤井社長(右)
会合終了後、報道陣の取材に応じたNAAの藤井社長は「協議会ではいただいたご意見を踏まえ、C滑走路区域については地権者の方々それぞれの事情を踏まえつつ、引き続き丁寧な話し合いを続けていく所存であり、さらに早期にご理解、ご協力をいただけるよう最大限努力していく旨をお伝えした」と語った。
千葉県の熊谷知事は「両滑走路の同時供用開始が難しくなったことは率直に残念だと思っている。土地収用制度の活用を検討せざるを得ない状況はわれわれも受け止めるが、再度の説明の努力を試みて、残りの地権者の方々にご理解、ご協力を求めていただきたい」と語った。
成田空港は現在、AとBの滑走路2本を運用している。訪日観光客の増加などで航空需要が今後も伸びると予想されているのに対応するため、NAAは国交省や地元自治体などと連携し、3500mのC滑走路を新設するとともに、B滑走路を現状より1000m伸ばして3500mにする工事を進めている。
NAAは工事完了を受け、年間の発着枠を現行の34万回から50万回へ高める方針だ。
ただ、NAAによれば、今年3月末時点でB滑走路の延伸については必要な用地の99.5%を確保できた一方、C滑走路は88.7%にとどまっている。

会合後の取材に応じる(左から)多古町・平山町長、成田市・小泉市長、千葉県・熊谷知事、NAA・藤井社長、国交省・宮澤局長、芝山町・麻生町長
(藤原秀行)













