日通とWHILL、東大が「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトの一環で倉庫内の電動モビリティ活用実証

日通とWHILL、東大が「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトの一環で倉庫内の電動モビリティ活用実証

身体的制約ある人も活躍促進、有効性を確認

日本通運と独自の電動車いす開発を手掛けるWHILLは4月13日、東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の二瓶研究室(二瓶美里教授)と共同で、歩行領域を走行する近距離モビリティ「WHILL」(ウィル)を活用した実証を行ったと発表した。

日通は2024年、これまで倉庫で働くことが困難だった人々の障壁を取り除くことを目指して「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトをスタート。WHILLが倉庫内の移動負担軽減に向けて連携し、実証を重ねてきた。



WHILLが採択された「自立支援機器を活用する就労支援プロジェクト」(テクノエイド協会主催)に、同プロジェクトの一環として日通も協力。両社に学術的な動作分析と評価を担う二瓶研究室が加わり、3者で倉庫環境における近距離モビリティの導入効果検証に踏み切った。

実証では多様な身体的制約のある人を募集、近距離モビリティの物流倉庫への導入が移動や立ち作業に伴う負担をどの程度軽減できるか有効性を多角的に評価した。

例えば、模擬倉庫でピッキング作業の評価を実施。通路幅や棚の高さなどの環境要因が作業に与える影響を確認した。

また、就労場面での評価として、実際の就労者を対象に、支援機器の満足度、心理的影響、仕事への活力を測るワークエンゲージメントなどを実施した。さらに、近距離モビリティ自体の使いやすさを評価してもらった。

3者は実証により、近距離モビリティの活用は、倉庫内での長距離移動や立ち作業の負担を軽減し、身体的制約のある方を含む多様な人財の業務参加を後押しできることが示されたと分析。作業性だけでなく、仕事への活力や自信といった心理面にも前向きな影響が確認されたと説明している。

一方で、現場実装に向けては、最下段作業への対応、通路幅・床面などの環境整備に加え、座面の昇降や小回り性能に対する機能拡張を論点として整理した。



日通とWHILLは「機器・環境・運用」要件を反映させ、倉庫現場での安全性・作業性・導入しやすさを高める取り組みを一体で進める方針。

今回の結果やフィードバックを踏まえ、WHILLの技術力と日通の物流に関する知見を融合させ、新たな作業専用モビリティの開発を引き続き目指す。既に日通社内で活用が決まっており、将来は同様の課題を抱える企業への展開も視野に入れている。

実証は、WHILLが厚生労働省自立支援機器実証・普及支援モデル事業(「自立支援機器を活用する就労支援プロジェクト」、テクノエイド協会主催)の補助を受け、「倉庫環境におけるモビリティ支援機器導入の効果に関する評価」として実施した。

(藤原秀行)※いずれも日通とWHILL提供

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