千葉・流山の大規模物流施設、同県内の松戸や埼玉・三郷の案件と機能面で連携も

千葉・流山の大規模物流施設、同県内の松戸や埼玉・三郷の案件と機能面で連携も

大和ハウス・浦川氏が会見で意欲、街づくり的な取り組み推進も示唆

大和ハウス工業で物流施設開発を率いる浦川竜哉取締役常務執行役員は9月2日、千葉県流山市で開発を進めている大規模マルチテナント型物流施設「DPL流山Ⅳ」の建設地で地鎮祭を行った後、記者会見した。

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浦川氏は、物流施設開発にとどまらず、同市で集合住宅整備と入居促進を図るなど、住宅建設や不動産開発のノウハウを生かし、街づくり的な観点からさまざまな取り組みを進めていく可能性を示唆した。

また、流山市で計4棟の建設を予定していることに関連し、近隣の埼玉県三郷市や千葉県松戸市で今後建設を計画している物流施設と機能的に連携していくことにも意欲をのぞかせた。都心に近接している周辺エリアの物流施設と連携して利用できるようにすることを視野に入れているとみられる。


「流山Ⅳ」の建設地。右には既に稼働している「DPL流山Ⅰ」が見える

数千人の雇用創出と展望

浦川氏は「郊外の集合住宅の建設、入居促進も大和ハウスグループの事業の1つとして入っているので、トータルで働く方、流山市に対するいろいろな貢献ができるのではないかと考えている」と述べた。

また、松戸市内で3棟の物流施設開発を新たに模索していることなどに言及した上で「エリア的には三郷、松戸あたりの連携も将来的に図っていきたい」との意向を明らかにした。

「流山Ⅳ」に関しては、稼働に伴い数千人規模の雇用を新規に生み出せると展望。新たな試みとして、流山市で開発する4棟全体を対象に子育て中の人たちが働きたい時期や時間を選んで複数のテナント企業で就労できるよう、同社が出資し物流施設内の保育施設運営を手掛けるママスクエア(東京)が支援する「マルチ派遣」を始めることなどに触れ、「運用面でも皆さまの声を聞きながらいろいろな改善を図る、そのスタートと考えている」と語り、働きやすい環境の整備に意欲をのぞかせた。

会見に同席したママスクエアの藤代聡代表取締役は、マルチ派遣は大和ハウスの物流施設向け専用サービスとして展開していく考えを強調。短期間の就労を希望する人が長期間働く人より不利にならないような勤務評価システムを独自に開発するなど、物流施設の就労環境向上に貢献していくことをアピールした。


記者会見する浦川氏(左)と藤代氏

(藤原秀行)

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