高速バスで貨客混載、初の総合化計画認定

高速バスで貨客混載、初の総合化計画認定

愛媛の伊予鉄バスなど、特産の果物や水産加工品を東京・新宿に輸送

国土交通省は11月1日、愛媛県を地盤とする伊予鉄バスと伊予鉄南予バスが予定している、高速バスの空きスペースで荷物を運ぶ「貨客混載」について、物流総合効率化法に基づき、総合効率化計画に認定したと発表した。

関連記事:佐川急便とJR北海道、共同で「貨客混載」へ

高速バスによる貨客混載が同計画として認められるのは初めて。伊予鉄バスによれば、1回目の輸送は今年11月末を予定している。

伊予鉄バスは愛媛県八幡浜市と東京・新宿の「バスタ新宿」の間で平日の週2回運行している高速バスを利用し、同市で生産されている柑橘類やジャム、ゼリー、水産加工品などの特産品を、アップクオリティや愛媛県と共同で直売所などに運ぶことを決めた。運行距離は約919キロメートルで約14時間を要している。

認定された計画では、果物などを保冷ボックスに収納し、伊予鉄南予バスが管理している八幡浜営業所の車庫で、伊予鉄バスが運行する高速バスのトランクルームの空いた場所に積載する。

国交省はトラックの特積みに代わる輸送手段を確保できる点や、地域振興につながる点などを評価している。計画はトラックからバスに転じることで輸送時のCO2排出量を年間約2・6トン減らせると見込む。

総合効率化計画に認定されると、事業者は諸経費の補助や物流拠点整備の税制優遇などのメリットを享受できる。


対象となる高速バス(国交省報道発表資料より引用)

(藤原秀行)

政策カテゴリの最新記事