20年10月までに完了目指す、拡大するECの物流整備が焦点に
※今朝7時に配信した記事を差し替えました
ヤフーを傘下に収めるZホールディングス(HD)とLINEは11月18日朝、ヤフーとLINEの経営統合に関して基本合意したと発表した。関係各社が同日までに開いた取締役会などで方針を機関決定した。ZHDの川邊健太郎社長やLINEの出澤剛社長らが同日午後5時から東京都内で記者会見し、合意に至った経緯などを説明する予定。
ZHD親会社のソフトバンクとLINE親会社の韓国ネイバーが折半出資して設立する新会社の下にZHDを収め、ヤフーとLINEを完全子会社化する。ZHDは上場を継続する見通し。今年12月をめどに最終契約を締結した後、2020年10月までの統合完了を目指す。
経営統合のスキーム(各社プレスリリースより引用)※クリックで拡大
統合が実現すれば、インターネット検索やEC、金融、対話アプリなど多様なサービスを一元的に手掛け、利用者が1億人に上る国内随一の巨大ネット企業が誕生する見通し。ヤフーとLINEの直近の売上高を単純合算すると約1兆1600億円で、楽天などを抜いて国内トップに躍り出る。
ヤフーとLINEの統合で焦点の1つとなるのが物流の在り方だ。ZHDは先日、アパレルのネット通販大手ZOZOを子会社化。資本・業務提携しているアスクルの消費者向けEC「LOHACO(ロハコ)」の収益改善にも尽力しており、ECの規模拡大が見込まれる。
ZHDとヤフーは物流に関しては、アマゾンや楽天といったライバルほどにはグループ内に自前のノウハウを蓄積できていない。それだけに、協力物流会社との連携や物流施設の効率的な運営といった物流の戦略でどのような方針を取っていくのかが、ソフトバンクグループの孫正義社長がかねて主張している「国内ECシェアナンバーワン」を実現する上で従来以上に重要な意味を持ちそうだ。
(藤原秀行)