【独自取材】運送契約の「書面化」や「運賃と料金別建て」、荷主と物流事業者で依然意識に温度差?

【独自取材】運送契約の「書面化」や「運賃と料金別建て」、荷主と物流事業者で依然意識に温度差?

「ホワイト物流」賛同企業の自主行動宣言を独自分析

政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体は2019年11月末時点で659に達した。

ロジビズ・オンラインが宣言の内容を独自に集計・分析したところ、運送契約の方法に関する項目では、運送の諸条件を明示した契約を書面で交わす「契約の書面化」や、運送の対価(運賃)と運送以外の役務などの対価(料金)を別建てで契約することを原則に掲げる「運賃と料金の別建て契約」に関し、荷主企業と物流事業者の間で依然意識に温度差があることを示唆する結果となった。

宣言に記述する内容が限定的であることなどから断言はできないが、運送事業の取引適正化を図る上で契約の書面化や運賃と料金の別建て契約は重要な役割を果たすとみられている。同運動はトラックドライバーに時間外労働の上限規制が導入される2023年4月1日まで継続する予定。今後運動の成果を挙げていく上で荷主企業への協力呼び掛けが留意すべきポイントとなりそうだ。

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製造業や卸・小売業は1桁にとどまる項目も

集計は宣言提出数が多い製造業、運輸・郵便業(倉庫事業者など含む)、卸・小売業の主要3業種に絞って実施。製造業は宣言の内容を開示している246、運輸・郵便業は260、卸・小売業は72が対象となった。

契約の書面化を選択した企業の割合を見ると、運輸・郵便業は53・1%と過半を占めた。一方、製造業は26・4%、卸・小売業も29・2%といずれも3割に届かなかった。認識は広がっているものの、運輸・郵便業との間で乖離が目立っている。

運賃と料金の別建て契約に関しても、運輸・郵便業は29・6%なのに対し、製造業は4・5%、卸・小売業は8・3%と一桁にとどまっている。

貨物自動車運送事業輸送安全規則では、輸送条件が明確にされていない運送業務を引き受けたり、運送の直前や始めた後に運送の諸条件を変更したりするのは安全を阻害しかねないと問題視しており、「荷主と緊密に連絡・協力して適正な取引の確保に努める」よう規定している。

国土交通省は契約の書面化により、かねて問題となっている過労運転といった法令違反防止などの効果が見込めると指摘。契約書面化のガイドライン(指針)を公表するなど、普及を後押ししている。

また、別建て契約についても、ドライバーが現場で荷物の積み込み・取り卸しなどの付帯作業を“サービス”として強いられる事態を回避する狙いがある。

(藤原秀行)

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