「消費者のニーズ、店舗の売り上げ増施策」と強調
楽天の三木谷浩史会長兼社長は1月29日、自身のツイッターアカウントで、先に発表していた楽天のインターネット通販サイト「楽天市場」で商品を3980円以上購入すると一部地域を除いて送料を原則無料とする方針に関し、予定通り3月18日にスタートする意向を明言した。
同社は送料が無料になる条件を一律に明示することでユーザーが商品を購入しやすくなり、売り上げの伸びが期待できると説明。送料無料と設定しても、商品価格に上乗せすることで対応可能とみている。
一方、楽天市場に出店している一部事業者らが加盟している任意団体「楽天ユニオン」は独占禁止法が禁じている、企業が強い立場を悪用して取引先に不利益を生じさせる「優越的地位の乱用」に該当すると反発、今年1月に公正取引委員会へ調査を要請していた。公取委は調査に乗り出したもようで、主要メディアが相次ぎ報じている。
三木谷氏はツイッターで「公取委や行政のマスコミにリークして牽制をかけるやり方はあまりに時代錯誤で酷すぎる。このような体質が日本のイノベーションを阻害する」と強く反発。
「送料の標準化は消費者のニーズであり、店舗の売上を上げるための施策であり、原則3980円以上、送料無料ラインの統一は予定通り実施致します」と説明している。
さらに、「弊社は楽天スーパーロジスティクスという店舗の物流コストを下げ、運営効率をあげるフルフィルメントサービスに巨額の投資をしている」とアピールしている。
三木谷氏はまた、東京都内で1月29日に開催した出店者ら向けイベントで講演した中でも「一部の店舗が騒いでいるが、結局皆さんのところで(商品を)買わなくなったら意味がない」などと語り、送料無料基準の明確化の意義を強調、理解を求めた。
(藤原秀行)