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首都圏の物流施設空室率、1~3月期は0・5%と過去最低更新

首都圏の物流施設空室率、1~3月期は0・5%と過去最低更新

今後はコロナ拡大の影響も・CBRE市場調査リポート(前編)

シービーアールイー(CBRE)は4月28日、2020年第1四半期(1~3月)の全国の賃貸物流施設市場の動向に関するリポートを公表した。このうち首都圏は前編、近畿圏と中部圏は後編でそれぞれ概要を報告する。

首都圏の大規模なマルチテナント型物流施設の平均空室率は0・5%で、前期(19年10~12月)から0・6ポイント低下した。4四半期連続で前期の数値を下回り、旺盛な需要が年明け以降も続いていることを示した。空室率は同社が調査を始めた04年第1四半期以降で過去最低水準を再度更新した。

今四半期に新規供給された7棟のうち6棟が期中に満床となったほか、大きな空室を抱えていた既存物件でもテナント入居確定が相次ぎ、首都圏全体で3000坪以上の空室が残っている物件は新築の1棟のみになった。

1坪当たりの実質賃料は2・1%アップし4380円で、四半期ごとの上昇率としては調査を始めた08年第1四半期以来、最大幅となった。

CBREは「今期の需要を牽引したのは物流企業で、積極的にスペースを拡張する動きが目立つ。また、eコマースの需要も引き続き強い。eコマースの直接契約に加え、賃借契約した物流企業の荷主がeコマースというケースも複数あった」と指摘している。向こう2四半期で予定されている新規完成物件は、既に5割強のスペースでテナントが内定しているという。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関しては、足元で日用品など一部商品の流通量増加による短期的な借り増しニーズが起きている一方、サプライチェーンの寸断などで在庫量が減少している業種も見られると指摘。「感染拡大が長期化すれば物流ニーズにも影響が出てくる可能性がある」と展望している。


首都圏の大規模マルチテナント型物流施設の需給バランス(CBREリポートより引用)※クリックで拡大

圏央道沿線、3000坪以上空室ある物件がゼロに

主要4エリアの動向は以下の通り。

【東京ベイエリア】
空室率は前期まで3四半期続けて0・0%だったが、今期は2・3%まで上昇した。今期完成した物件に空室が残ったためだが、既存の施設に空室はほとんど残っていないという。CBREは「当該空室も時間を置かずに消化される見通しであり、需給が逼迫していることに変わりはない」と解説している。
坪当たり実質賃料は0・8%上がって7190円だった。勢いは今後抑えられる可能性があるものの、上昇基調自体は続くとの見方を示している。

【外環道エリア】
今期は新規竣工物件がなく、既存物件の空室が解消されたため、空室率は1・2%ポイント下がって0・4%だった。次の新規供給は今年の第4四半期の予定で、それまで需給が緩む気配はないと明言。坪当たり実質賃料は1・0%上昇し5030円だった。CBREは「特に消費地に近い立地はその希少性が再確認され、上昇傾向が強まっている」とみている。

【国道16号エリア】
坪当たり空室率は0・8ポイントダウンの0・3%で、08年第1四半期以来の最低を再び更新した。今期完成した3棟はいずれも満床で稼働した上、19年に竣工した物件の空きスペースも全てなくなったという。20年に完成予定の物件もリーシングが進んでいるため「物件の選択肢はより狭まっている」(CBRE)。
こうしたタイトな需給を反映し、坪当たり実質賃料は2・8%上がって4350円となった。調査を始めた08年第1四半期以降で最大の上げ幅を記録した。5四半期続けて空室がゼロの神奈川県に絞って見ると、賃料上昇率は4%強とさらに大きかった。テナントのニーズは数少ない二次空室や未竣工物件に集中しているという。

【圏央道エリア】
今期完成の3棟はいずれも満床で稼働が決定。空室率は0・6ポイント低下の0・6%に達した。エリア内で3000坪以上の空室がある物件はゼロとなり、需給が一段と引き締まってきている。
こうした活発な需要を反映し、坪当たり実質賃料は1・5%プラスの3430円となった。ただ、「20年末までに竣工する予定の物件では、プレリーシングの進行状況に差が出始めている」(CBRE)。

(藤原秀行)

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