定時株主総会で経営実態など説明要求を議案に
乾汽船は6月16日、筆頭株主の投資会社アルファレオホールディングスが乾汽船の取締役違法行為差し止めの仮処分命令を東京地裁に申し立てていた件に関し、同日付で却下されたと発表した。
アルファレオ、乾社長ら取締役の情報提供要請など差し止め仮処分を東京地裁に申し立て
乾汽船は5月27日、アルファレオに対し、経営の実態や投資目的に関して全ての乾汽船ステークホルダーが納得できる説明をするよう求める方針を公表。6月19日の定時株主総会で承認を得た上で、アルファレオに要請する意向を示していた。
これに対し、アルファレオは乾汽船の方針を受け、既に乾汽船取締役会からの質問に回答書を提出しており、十分な情報を提供しているなどと不快感を表明。乾康之社長ら取締役5人(社外含む)が情報提供を要請したり、定時株主総会に情報提供を求めることを諮ったりしないよう申し立てていた。
乾汽船によれば、東京地裁は乾汽船側の行為が法令や定款に違反するとは言えず、会社法に基づく取締役の違法行為差し止め請求権は認められないと判断した。
乾汽船は却下を受け、定時株主総会でアルファレオへの要請について議案として提出、株主に承認を求める方針をあらためて示した。
(藤原秀行)