コロナで融資姿勢に慎重さも・CBREアンケート調査
シービーアールイー(CBRE)は6月23日、不動産業界向けの融資を手掛けている金融機関などの主要レンダー(貸し手)を対象としたアンケート調査結果「レンダーサーベイ2020」を公表した。
融資対象となり得る主要アセットタイプの中で最も魅力的なものとして物流施設を挙げる向きが19年の調査時から拡大、最も多かった。中長期に安定して収益を挙げられることなどが評価され、相対的に魅力が高まったとみられる。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大による経済情勢悪化で、昨年実績より全体的に新規融資が減るとの見通しを示しているレンダーが増えており、アセットの選別をより慎重に行おうとしている姿勢も鮮明となった。
調査は不動産ノンリコースローンを担っている主要金融機関など41社を対象として4~5月に実施、約6割の25社から回答を得た。
融資可能なアセットタイプを尋ねたところ、物流施設は95%で、19年からわずかに下がったものの、オフィスビルや賃貸マンションと同水準をキープ。一方、新型コロナウイルスの感染拡大で経営が打撃を受けている商業施設は19年の100%から80%に、ホテルは88%から60%にそれぞれ大きく割合を下げた。
最も魅力的なアセットタイプとしては、物流施設が55%でトップとなり、オフィスビルの23%、賃貸マンションの18%を大きく引き離した。商業施設とホテルの回答はなかった。物流施設は19年調査時の18%から約3倍に拡大した。
一方、新規融資額の見込みについては、「増加する」と「変わらない」を合計した割合がシニアローンは19年の90%から59%に、メザニンローンは91%から80%にそれぞれ下がった。
不動産ファイナンス市場における最大の脅威としては、新型コロナウイルスに関するコメントを出したのが36%に上った。
最も魅力的なアセットタイプの回答割合(CBRE資料より引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)