国交省が審議会でコロナ対策として表明、今秋めどに工程表策定へ
国土交通省は、全国の高速道路に関し、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、料金所を段階的にETC(自動料金収受システム)専用へ移行する方向で検討に入った。料金収受員がドライバーと接触する機会を減らし、感染リスクを抑えるのが狙い。混乱を最小限にとどめるため、現状でETC利用率が高い路線から数年程度をかけて順次ETC専用に切り替えていくとみられる。
7月2日開催した社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長・朝倉康夫東京工業大環境・社会理工学院教授)で、事務局を務める国交省がETC専用化を目指す方針を説明、大筋で了承を得た。今後、同部会でETC専用化のスケジュールや作業手順などを議論し、今秋ごろをめどに工程表を策定する。
現状でもETCの利用率が約93%に達しており、国交省は料金収受コストを減らすためにもETCの普及をさらに加速させたい考えだ。今後はETCに非対応の車が誤って高速道に進入した場合の対応などが課題となる。
国交省の調べによると、不特定多数の人と接触する機会が多い高速道の料金所や休憩施設のスタッフがこれまでに11人、新型コロナウイルスに感染したことが判明。高速道路会社はその都度、料金所を閉鎖したり、一般レーンを閉じてETC利用の通行のみに絞ったりと対応してきた。
(藤原秀行)