キャリー活用した一貫ユニットロード導入、作業時間6割短縮
経済産業省は7月3日、国内のサプライチェーン全体を最適化するための優れた取り組みを表彰する「サプライチェーンイノベーション大賞」に、2020年は薬王堂とPALTAC、ユニ・チャームの「《業界初》~キャリーを活用した一貫ユニットロード化 ~改善事例~」を選んだと発表した。
3社の説明資料によると、商品配送用のキャリーをメーカーの出荷段階から一貫して使うユニットロードを実現し、納品までの過程でパレットなどへの積み替え作業を大幅に削減。コスト抑制にもつなげることができたという。一般的なメーカー出荷~小売店納品に至る作業時間は従来の450分から175分へ約6割の短縮に成功した。
優秀賞はサントリー食品インターナショナル、加藤産業、セブン―イレブン・ジャパンの3社にそれぞれ授与。セブン―イレブンは食品ロス削減特別賞にも選定した。
サントリー食品インターナショナルは「AI(人工知能)画面解析による製品段ボール破損判断導入(PoC段階)」で、輸送中に段ボールが破損としたとみなす基準を統一、食品ロスの削減を図るための新技術開発を進めている点を評価した。
加藤産業は「物流管理へのAI技術の有効活用~人員配置・生産性改善レベルのボトムアップ~」で、AIの物量予測などを生かして人員配置の自動化・最適化を実現しようと取り組んでいる点に着目した。
セブン―イレブンは衛生管理レベルの向上やデイリー商品の消費期限延長、製造体制の見直しなど、製造・配送・販売の各分野で複合的に取り組みを進め、食品ロス削減につなげている点を紹介した。
(藤原秀行)
各社の受賞内容はコチラから(経産省ウェブサイト)