日本のBtoBコールドチェーン物流サービス規格が正式発行

日本のBtoBコールドチェーン物流サービス規格が正式発行

海外展開後押し目指すも、即効性は不透明

国土交通省は7月3日、日本規格協会が事業者間のコールドチェーン物流サービスに関する規格「JSA-S1004」を6月30日付で正式に発行したと発表した。

生産地から小売店などに低温で商品を運ぶ際、倉庫内の温度確認や衛生管理、車両庫内温度の監視・記録、安全運転教育といった範囲を対象に、品質を保ったまま輸送する上で順守すべき事項を盛り込んでいる。ASEAN(東南アジア諸国連合)域内での普及をにらみ、日本語と英語の両方で作成している。

今年5月には、国際標準化機構(ISO)から消費者向け小口保冷配送サービスの適切な温度管理に関する国際標準「ISO23412:2020」が発行済み。BtoBとBtoCの両面で日本式のコールドチェーンを標準化したこととなる。

国交省はJSAの規格発行について「本規格の普及により、日本の物流事業者のコールドチェーン物流サービスの品質が適切に評価され、国際競争力が強化されるとともに、各国における市場の健全な育成と拡大に寄与することが期待される」と説明。ASEAN各国へ日本式コールドチェーン物流の売り込みを後押ししていきたい考え。

ただ、確かに規格化で高品質さはアピールできる半面、日本式コールドチェーン物流の運営コスト効率化や適切に運営できる人材の確保など、海外展開を拡大する上でクリアすべき課題は山積している。規格化がどの程度普及を図る上で即効性があるかは不透明だ。


新規格の対象範囲(国土交通省報道発表資料より引用)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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