7月19日実施を正式発表、地方でサービス提供実現目指す
国内で初めてオンライン診療で処方された医薬品をドローン(無人飛行機)で患者へ配送する実証実験が7月19日、北海道旭川市で行われる。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非接触で薬を受け渡しできる環境を整備するのが狙いだ。天候不良の場合は8月2日に延期する。
経済産業省北海道経済産業局が7月10日、正式発表した。実験はANAホールディングス(HD)、調剤薬局最大手のアインホールディングス、ドローン開発を担うスタートアップ企業のエアロセンス(東京・小石川)、トッパン・フォームズ、日通総合研究所などが参加する。
実験は旭川市内の旭川医科大学病院が540メートルほど離れた特別養護老人ホーム「緑が丘あさひ園」の患者をオンラインで診療、必要な薬の処方箋をアインHDの「アイン薬局」に送り、該当する薬をドローンに搭載して患者の元に運ぶことを予定している。輸送時の安全性などを検証する予定。ドローンの機体はエアロセンスが、薬を運ぶ保冷ボックスはトッパン・フォームズがそれぞれ提供する。
ドローンは有人地帯での物流活用に向け、官民が連携して規制緩和など環境整備が進められており、ANAHDも離島向けのドローン物流の実証実験を重ねている。経産省やANAHDなどは地方で通院が困難な人向けにドローンで薬を届けるサービスを本格的に提供したい考えだ。
実験に用いるドローン(いずれも経産省北海道経済局ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)