“巣ごもり消費”で通過型センター事業の取り扱い拡大、業務効率化も奏功
ニチレイが8月4日発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)連結決算によると、ニチレイロジグループ本社が中心となって手掛けている低温物流事業の売上高は前年同期比4%増の520億円、営業利益は21%増の32億円だった。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の動きが広がり、“巣ごもり消費”で家庭用冷凍食品などの需要が大きく伸びたため、TC(通過型センター)の通過量や保管量、運送物量が拡大したことが寄与。業務効率化が進んだのも増益に貢献した。
同社は通期の同事業の予想について、売上高を従来数値より36億円多い2131億円(前期比3%増)、営業利益も5億円多い121億円(同2%増)にそれぞれ上方修正した。期初の見通しでは営業減益を想定していたが、増益に転じるとみている。
ニチレイが同日開催したインターネット決算説明会見で、同社の岸正明グループコミュニケーション部長は、新型コロナウイルスの感染拡大が低温物流事業に及ぼしている影響について「外食産業向け冷凍食品の保管量減少といったことはあるが、相対的に見れば第1四半期まではそれほど大きなマイナスが出ているわけではない」と説明。同時に「海外事業は当社の主力が欧州なので、第2四半期(7~9月)から少しマイナスの影響が出てくると思う」との見方を示した。
ニチレイロジグループ本社が核となって進めている業務革新の活動に関し、岸部長は「何か具体的に止まっているとは聞いていない」と解説。一方で「県境をまたいだ出張や不要不急の会合は抑制しているので、そういう面では日常通りの進捗はなかなか難しいかもしれない」との見解を明らかにした。
(藤原秀行)※イラストはニチレイロジグループ本社提供