DIが6カ月連続20台、リーマン後並み
帝国データバンク(TDB)が9月3日発表した8月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が25・4となり、前回7月時から1・2ポイント上昇した。前月より改善したのは2カ月連続。
ただ、水準自体は景況感の分かれ目となる50から大きく遠ざかっており、6カ月続けて20台から抜け出せておらず、依然リーマンショック後並みの低い水準だ。TDBは5月以降、10業界の中でDIが最も低水準になっていると指摘。新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き運輸・倉庫業界の景況感にとって逆風になっている。
景気DIを全業種ベースで見ると、8月は0・6ポイント上がって29・7だった。3カ月連続上昇したものの、回復は小幅にとどまった。TDBは全体の先行きについて「個人消費の持ち直しが期待されるが、横ばい傾向で推移するとみられる」と展望した。
運輸・倉庫業のコメントでは、先行きに対して「自動車素材としての特殊鋼製品の生産の戻りが、リーマンショック時以上に長くかかるものと思われる」(特定貨物自動車運送)、「景気回復のタイミングが不透明、回復までの期間が長引きそう」(普通倉庫)、「今年度はほぼ貨物取扱いが減ったままで回復は難しいと想定する」(港湾運送)といった悲観的な声が出ていた。
調査は8月18~31日にインターネット経由で実施、全国の1万2000社が有効回答を寄せた。回答率は50・7%だった。運輸・倉庫業は533社が調査に協力した。
(藤原秀行)