国内順調も海外向けは目立った成果なく「出遅れ感」認識
日立物流の中谷康夫社長は10月26日に開いた2018年9月中間期連結決算説明会で、3PL案件の受注・立ち上げが順調に進展しているとの見方を示した。
当中間期の受注件数は13件(国内8、海外5)と前年同期の21件を下回ったものの、立ち上げ案件は18件(国内13、海外5)で前年同期の7件から大幅に増加。
中谷社長は「国内向けは昨期に受注した案件が着実に立ち上がっている。特に協業しているSGホールディングス(SGH)とは毎月のように新規案件を稼働させており、現在提案中の案件も加味すると通期では約200億円の売り上げ寄与が期待できる」と取り組みの成果を強調した。
当中間期におけるSGHとの協業効果は売上高94億円、営業利益9.8億円と前年同期(30億円、2.8億円)から飛躍的に向上。とりわけ国内向け3PL・輸送分野で売上高87億円、営業利益8.8億円を稼ぎ出すに至っている。通期計画に対する進捗率は売上高47%、営業利益49%と予定通り推移していることも明らかにした。
その一方、海外向けは売上高4億円、営業利益0.8億円と前年同期に続き小幅なものにとどまった。これについて中谷社長は「正直なところ出遅れを感じている。今後はアジア地域での事業展開を先方とよく打ち合わせながら前に進めていきたい」との考えを表明。海外市場での展開が協業における課題であることを示唆した。
(鳥羽俊一)
会見する中谷社長