TOB視野、都心部の商圏開拓狙い
「ホーマック」などを全国展開するホームセンター大手のDCMホールディングス(HD)が、首都圏を地盤とする同業の島忠を買収する検討を始めたことが明らかになった。
DCMHDが島忠にTOB(株式公開買い付け)を実施、過半の株式を取得することなどを想定しており、早急に結論を出したい考えだ。今後の協議の進展によっては、買収ではなく資本・業務提携など他の協力関係を選択する可能性も残っている。
DCMHDは2016年、カーマとダイキ、ホーマックのホームセンター3社が経営統合して誕生した。同業他社を相次ぎ傘下に収めて規模を拡大、現在は全国で700弱の店舗を運営している。東京や埼玉を軸に約60店舗を手掛ける島忠を傘下に収めることで、DCMHDが得意とする郊外型の店舗に加え、都心部の商圏も積極的に開拓したい狙いとみられる。
ホームセンター業界では今年6月、新潟を本拠とするアークランドサカモトがLIXILグループのLIXILビバを完全子会社化する方針を発表するなど、再編に向けた動きが広がっている。仮に島忠へのTOBが成立して子会社化した場合、DCMHDはグループで売上高が業界首位に躍り出る見通し。
DCMHDは9月18日、「今後の成長戦略として、島忠も含め、他社との提携・さまざまなM&Aの可能性を検討しているが、いまだ決定していない」とのコメントを発表。島忠も同様の趣旨の声明を出した。
(藤原秀行)