米デカルト・データマイン調査、コロナ禍の落ち込みから復調の兆し
米調査機関デカルト・データマインは10月12日、最新の海上コンテナ輸送量実績調査結果を発表した。9月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比14・5%増の164万7777TEU(20フィートコンテナ換算)となった。3カ月続けて前年実績を上回り、9月としては過去最多を記録した。
新型コロナウイルスの感染拡大による経済情勢悪化や米中貿易摩擦の影響で貿易量も不振が続いていたが、復調の兆しが見られる。世界経済に回復傾向が出てきた可能性がある。
国・地域別の集計では、最も多い中国発は19・6%増の105万2967TEUで、4カ月連続でプラスとなった。2位のベトナムも26・9%増の12万7370TEUと好調。3位の韓国は8・7%減の12万5027TEUだが、4位のシンガポールは13・1%増の7万4260TEUだった。上位10カ国・地域のうち、6カ国が前年同月を超えた。
中国発米国向けの主要品目別では、最もシェアが大きい「家具類」(HS94)は23・8%増の17万4993TEUで8月に続いて2割増となった。「機械類」(HS84)は31・3%増の10万7673TEU、「電子電機」(HS85)は20・0%増の10万3184TEU、「プラスチック」は23・5%増の8万932TEUなどと軒並み堅調だった。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の8月分は4・7%減の47万6675TEUで、2カ月ぶりのマイナス。中国向けは16・1%増の17万7200TEUと4カ月連続の2桁増と伸びたが、それ以外は大半が前年水準を割り込んだ。
アジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量(デカルト・データマイン提供、クリックで拡大)
(藤原秀行)