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7~9月の事業用不動産投資、物流施設は88%増と主要アセット唯一のプラス

7~9月の事業用不動産投資、物流施設は88%増と主要アセット唯一のプラス

CBRE調査、「コロナ禍で安定収益求め集中」と分析

シービーアールイー(CBRE)は11月5日、不動産投資動向に関するリポートを公表した。

今期(2020年7~9月)の事業用不動産の投資額(10億円以上の案件対象、土地取引とJリートの投資法人が新規上場した際の取得物件を除く)は前年同期比26%減の5990億円だった。海外投資家は26%増で4四半期連続のプラス。一方、Jリートは6%減、他の国内投資家も68%減で、ともに2四半期続けて前年実績を割り込んだ。

主要なアセット別では、物流施設が88%増と唯一のプラス。ホテル(86%減)など他のアセットとの勢いの差が際立っている。

20年1~9月の累計投資額は3%増の2兆6240億円。CBREは「コロナ禍を受け、不動産投資市場では安定した収益を求めて物流施設や住宅に投資資金が集中している」と分析。物流施設と住宅の1~9月の累計は1兆2430億円に達し、05年の調査開始以来、初めて同期間で1兆円を突破した。物流施設と住宅に関しては海外投資家が積極的に投資しているという。

累計投資額に占めるアセット別割合では、オフィスが8ポイント減の34%なのに対して物流施設は10ポイント増の29%、住宅が11ポイント増の18%。「20年通年は物流施設がオフィスと拮抗する可能性がある」(CBRE)。

地方エリアで投資が引き続き拡大

Jリートに関しては、7~9月の公募増資(払い込みベース)6件のうち、4件が物流施設特化型リートによるもので、9月末の東証REIT指数が昨年12月末から20%下落したのに対し、物流施設特化型7銘柄は4~29%上昇。物流施設特化型銘柄の好調ぶりが鮮明になった。

7~9月にJリートが発表した不動産投資(新規上場による取得を除いた全取引ベース)は55%減の45件、投資額で8%減の3080億円となった。投資額に占めるアセット別の割合では物流施設が65%とトップで、前年同期から46ポイント伸びた。3四半期続けて物流施設が最も大きい比率に達した。物流施設の投資額は2008億円で、前年から3倍超。1~9月の累計は4611億円で、通年で最高だった18年の実績を既に上回っている。

CBREは、物流施設の取引利回り水準は新型コロナウイルスの感染拡大前から横ばいか低下していると推定。物流施設への人気が高まり物件価格が上昇していることが背景にあるとみられる。

「特に地方ではトラックドライバー不足解消のための分散ニーズを反映して市場が拡大しつつある。売買価格も首都圏より低いため、経験の浅い投資家も投資を検討しやすい」と指摘。地方エリアの物流施設への投資が引き続き拡大すると予想した。


Jリートの不動産取得動向(CBREリポートより引用・クリックで拡大)

(藤原秀行)

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