野村不動産G、「2024年問題」受けた中継輸送ニーズに対応し地方でも開発拡大

野村不動産G、「2024年問題」受けた中継輸送ニーズに対応し地方でも開発拡大

25年に宮城と愛知で竣工予定、他に関西・九州で計5件を進行

野村不動産ホールディングス(HD)は11月9日、東京都内で開催した記者懇談会で、今後のグループの不動産事業の展開などを説明した。

物流施設に関しては、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」にデベロッパーとしても対応していく姿勢を強調。長距離輸送の中継地点となり得るエリアに事業を広げる方針を示した。

また、自動化のニーズを踏まえ、横浜市内でIHIと共同開発している物流施設では初の試みとして、立体型自動倉庫を導入して保管などのサービスを入居企業がシェアできるようにする方向で準備を進めていることを明らかにした。

あいさつに立った野村不動産HDの新井聡社長兼グループCEO(最高経営責任者)は「われわれは長い間(グループ全体で賃貸物件の取得や運営、リーシング、売却、価値向上のためのリニューアルなどを連携して進める)賃貸バリューチェーンモデルを追求してきたが、そのようなモデルがこれから先行きが不透明な中でリスクをコントロールしながら投資を続けられるという可能性につながっているのではないか」と指摘した。


あいさつする新井社長

IHIと初共同開発、自動倉庫シェアサービス準備

松尾大作副社長兼グループCOO(最高執行責任者)は「物流施設の用地取得は厳しさを増しているが、首都圏では順調に事業を拡大できている」と説明。中継物流のための拠点ニーズが高まっているのを受け、名古屋圏でも引き続き、中継物流用拠点の開発を目指す姿勢を明らかにした。

また、既に公表している通り、今年2月に京都府向日市で「Landport京都南」(地上4階建て、6885坪)、今年5月に福岡県粕屋郡久山町で同社として九州初となる「Landport福岡久山」(地上2階建て、6321坪)がそれぞれ竣工したことに言及、事業エリアを拡大する方針を明示した。前者は島津製作所、後者は日清食品系の日清エンタープライズがいずれも1棟借りしている。

地方都市での施設開発拡大の例として、愛知県東海市、大府市で「(仮称)Landport東海大府」(地上5階建て、延床面積約7万4500坪、25年10月竣工予定)、宮城県岩沼市で「(仮称)Landport仙台岩沼」(地上4階建て、約1万3600坪、25年12月竣工予定)の開発を進めていることを強調。さらに、関西エリアはこのほかに2件、九州エリアは3件のプロジェクトを進めていると語った。

IHIとは初の共同開発案件として横浜市金沢区で「(仮称)Landport横浜杉田」の建設を進めており、竣工は25年3月を見込んでいる。延床面積は約16万3000㎡になる予定で、立体型自動倉庫による保管などのシェアリングサービスを展開する計画を公表した。


説明する松尾副社長

(藤原秀行)

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