法人企業統計、設備投資も6・7%減とコロナ禍の影響続く
財務省が12月1日発表した2020年7~9月期の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業ベースの売上高は前年同期比11・5%減の309兆2524億円で、5四半期続けて前年実績を割り込んだ。減少幅は4~6月の17・7%から縮小したものの、依然2桁の落ち込みだ。
営業利益は39・0%減の8兆7413億円で、4~6月期の64・8%から減少幅が縮小したが、いまだ3割ダウンと落ち込みは深刻。経常利益は28・4%減の12兆3984億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大による経済情勢悪化が引き続き企業収益を下押ししていることが示された。
全産業の設備投資は10・6%減の10兆8006億円で2四半期連続のマイナス。ソフトウエア投資を除いたベースでは11・6%減の9兆6629億円となった。
運輸・郵便業を見ると、売上高は15・5%減の12兆9014億円、営業損益は3444億円の赤字(前年同期は1兆1477億円の黒字)、経常損益は1729億円の赤字(同1兆1754億円の黒字)となった。いずれも2四半期続けての赤字だ。
新型コロナウイルスの感染拡大による物流の取扱量減少などが引き続き、影を落としているようだ。非製造業8業種の中で営業、経常損益が赤字になったのはいずれも運輸・郵便業だけだった。設備投資も6・7%減の1兆202億円。
法人企業統計は全国の金融・保険業を除く企業の活動実態をつかむため、四半期ごとに売上高などの財務諸表の項目を尋ね、集計している。今回は2万2896社が有効回答を寄せた。回答率は71・1%。
(藤原秀行)