コロナ禍から経済活動再開で持ち直し
日通総合研究所は1月28日、「企業物流短期動向調査」の2020年12月調査結果をまとめた。
国内向け出荷量の『荷動き指数』は20年10~12月実績(見込み)でマイナス40と、前期(7~9月)から19ポイントアップした。前期の水準を上回ったのは2四半期連続。
今年1~3月の見通しはマイナス34で、さらに上昇することが見込まれている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で20年4~6月にはリーマンショック後の09年1~3月(マイナス75)に次ぐ11年3カ月ぶりの低水準まで落ち込んだ指数が上昇に転じたのは、経済活動が再開されているのに従って、荷動きが持ち直していることを示している。
ただ、水準自体はいまだマイナス圏の上、今年に入って政府がコロナ感染拡大を受け、緊急事態宣言を再発令したこともあり、荷動き復活の動きが力強いものになるかどうかは依然慎重な判断が求められそうだ。
指数は「増加」の割合から「減少」の割合を引いて算出。調査対象は製造業・卸売業の主要2500事業所で、今回は33・5%の838事業所が回答した。
10~12月実績(見込み)は、15業種の全てで7~9月から指数が上向いた。1~3月見通しは一般機械や鉄鋼・非鉄、輸送用機械など10業種がさらに上昇している半面、消費財卸や生産財卸、電気機械など5業種が下向いている。
地域別に見ると、10~12月実績(見込み)は9地域のいずれも前期より上昇。1~3月見通しも同様の傾向になっている。
(藤原秀行)