【動画】ジョンソン・エンド・ジョンソンが東京・羽田の物流拠点で「ロボット倉庫」公開

【動画】ジョンソン・エンド・ジョンソンが東京・羽田の物流拠点で「ロボット倉庫」公開

オートストアをグループ初導入、整形外科領域製品のピッキング効率改善

 米医薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は11月12日、日本法人がヤマトホールディングスグループの大型施設「羽田クロノゲート」(東京・大田区)内に構えている物流拠点「羽田ディストリビューションセンター」で10月下旬に稼働を開始した最新の「ロボット倉庫」をロジビズ・オンラインなどのメディアに公開した。


J&Jが拠点を構える「羽田クロノゲート」

 人手不足の現状を踏まえ、スイスログ社の自動ロボット制御ピッキングシステム「オートストア」を採用。専用のコンテナ1万個超を高密度に収納し、作業スタッフが出荷指示書のバーコードをスキャンすると、ロボットが当該製品の入ったコンテナを自動で出し入れする。

 整形外科領域の医療機器のピッキングに活用しており、J&Jは容積効率を約4倍高めたほか、従来の手作業よりピッキングの作業効率を約1・5倍向上できていると成果を強調した。

 数万点にも及ぶ膨大な製品や関連部品を効率良く収納し、正確かつ迅速に出荷できるため、緊急手術にも対応可能という。

 J&Jは日本で羽田と札幌、神戸、新砂(東京)、福岡の計5カ所に物流拠点を展開している。羽田が同社グループで初めてロボット倉庫の活用を始めた拠点となる。


稼働している「オートストア」。赤い箱型のロボットがコンテナを自在に動かしている

 センターでは併せて導入を予定している、重量物の積み降ろし作業の負荷を軽減するユーピーアール製のサポートジャケット「Bb+PRO」も公開した。作業時に良い姿勢に導くことで腰をしっかりと保護し、腰痛などを防げるという。


導入を予定しているサポートジャケット

「協力会社や取引先含む全ステークホルダーに働きやすい環境提供」

 J&Jメディカルカンパニーの岩屋孝彦デピューシンセス事業本部バイスプレジデントは「整形外科領域の医療機器は高齢化に伴い市場が拡大しており、その傾向は今後も続く」との見方を示し、ロボットなどの先端技術を活用して拠点からの出荷精度維持・向上を図ることに強い意欲を表明。


ロボット倉庫の意義を強調する岩屋氏

 日本法人グループの荒川朋子日本カスタマーロジスティクスサービスシニアディレクターは「日本は少子高齢化で人手不足が進んでいることから、ロボット倉庫の導入を決断した」と背景を説明した。

 加えて、最新機器を活用することで労働負荷を減らし、「当社従業員だけでなく、協力会社や取引先を含む全てのステークホルダーに働きやすい環境を整備する『ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)』を推進していくことができる」と意義を指摘した。

(藤原秀行)


自動ロボット制御ピッキングシステム「オートストア」。膨大な量の整形外科関連商品を納めたコンテナを、自動で作業スタッフの元に届ける。


導入予定のユーピーアール製サポートジャケット「Bb+PRO」をデモンストレーション。重量物の積み降ろし作業の負荷を軽減するのが狙い。


ロボットが届けたコンテナの中から、青く光る商品をピッキングすると自動的に次のコンテナに移り、ロボットが再び元の位置に戻す。


ジョンソン・エンド・ジョンソンの物流センターが入るヤマトホールディングスグループの大型拠点「羽田クロノゲート」

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