IoT活用、誤配送やなりすましによる盗難を防止
IoT(モノのインターネット)を活用したスマート宅配ボックスを手掛けるスタートアップ企業のPacPort(パックポート、東京都中央区日本橋人形町)は2月1日、三菱地所が展開している、スタートアップ企業と連携して新事業創出を目指す「アクセラレータープログラム2020」に採択されたと発表した。110件の応募の中から、新しいまちの在り方を提案していくパートナーの1社に選ばれた。
PacPortが提供するスマート宅配ボックスサービスは、ユーザーが専用の無料スマートフォンアプリを使い、インターネット通販で購入した商品の配達状況を追跡可能。複数のECサイトから購入した場合でも一括して配達状況を管理できる。
宅配ボックスに荷物を入れる際、配達員が個々の荷物に付与されている追跡番号を入力するか伝票の番号を扉部分のセンサーにかざすかのいずれかでしか解錠されないため、誤配送を防げるのが強みだ。
荷物を取り出す際には、アプリに送られたQRコードをセンサーに読み取らせて扉を開ける仕組み。利用者以外が勝手に開けられないようにして、なりすましによる盗難を防止する。
さらに、荷物を収める際と取り出す際に、ボックスやロッカー内のカメラが自動的に様子を撮影、ユーザーに送信することで、より安心して使えるよう配慮している。宅配ボックス自体はPacPortが推奨しているメーカーの製品を使う仕組み。
三菱地所とPacPortは新型コロナウイルスの感染拡大で非対面・非接触の宅配ニーズが増えているため、スマート宅配ボックスの需要も期待できるとみている。両社は今後、働き方や生活様式の変化に適応した新商品・サービスの開発を目指す。
スマート宅配ボックスのイメージ(PacPort提供・クリックで拡大)
(藤原秀行)