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【独自】ドローン物流の事業者免許、都市部上空飛行可能な「レベル4」解禁受け検討を訴え

【独自】ドローン物流の事業者免許、都市部上空飛行可能な「レベル4」解禁受け検討を訴え

JUIDA・鈴木理事長単独インタビュー(中編)

日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長(東京大学名誉教授、東京大未来ビジョン研究センター特任教授)はこのほど、ロジビズ・オンラインの単独インタビューに応じた。

鈴木氏は、政府が2022年中をめどに人口密集地の上空でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁する準備を進めていることに関連し、都市部でのドローン物流実現は早くて数年後になるとの見通しを示した。

同時に、レベル4解禁を受け、ドローン物流の安全性担保やサービスレベル維持、安値競争回避のため、事業者免許の在り方の検討を始めるよう、政府や関係業界へ引き続き訴えていくことに意欲を見せた。

インタビュー内容を全3回に分けて紹介する。


鈴木理事長(2019年撮影)

経済的にうまく回せる仕組みの構築を

――ドローン物流は、まず人口が少ないエリアで目視外飛行を行う「レベル3」で社会実装できるよう、今年1年さらに取り組みを続けていくことが大事なのでしょうか。
「そうですね。その前提として、ドローン物流を経済的にうまく回していける仕組みを整備することが不可欠です。ドローンは便利な道具ではありますが、実際にはまだまだ人手を要します。人間が操縦するにしても自動で飛行するにしても、飛行中は機体の状態を常時モニターしなければならないですし、トラブルが起きれば人による操縦に切り替えなければいけないし、問題なく飛行できるよう日頃から欠かさずに点検、整備をしなければいけない。人件費が高くなってしまえばドローン物流のコストが現状の物流より安くなることは期待できません」

――政府が取りまとめたドローン物流のガイドラインも、採算をどうやって取っていくかについて言及はありますが、明確にこうすればいいというやり方を明示するところまでには至っていません。
「料金が安くなくても価値のあるものをドローンで運ぶのか、それともコストを安くする技術を磨くのか、どうしても必要なものであれば補助金などを使って自治体がサポートするのか。どういうやり方をすれば経済的な面でドローン物流をうまく機能させられるのか、併せて検討していく必要があるでしょう」

サービス料金のダンピング回避が必要

――政府は2022年中をめどに、人口密集地上空でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁する準備を進めています。ドローン物流の実現に弾みが付くとみられます。そうなると、ドローン物流を行う事業者免許の在り方の検討も必要になってくると思いますが、どのように対応しますか。
「JUIDAとしては以前からドローン物流の事業者免許を作る必要があると訴えていますが、国はまずドローン飛行の安全・安心を確実なものとするため、機体の認証制度や操縦ライセンスの制度化に動いています。そうした制度がスタートした後の、次のステップとしては適正な事業者の認定が必要になってくるでしょう。あらためて、次の検討課題として国にも問い掛けていきたいと思います」

――ただ、関係者の間ではレベル4解禁の動きを受けても、まだそうした事業者免許のところまで議論が進んでいるように見えません。
「現状ではドローン物流を希望している事業者が本当にいるのか、いないのに制度を先走って作るのは難しいというのが国の考え方です。確かにそれは一理あると思います。徐々にドローンを使ったビジネスを始めようとする事業者の方々が増えてくれば事業者免許を作っていこうという土台作りにもつながるでしょう。そこは段階的に話を進めていくという感じになるのではないでしょうか」

――適切な内容の事業者免許がないと安全性が担保できず、物流サービスを受注するため料金のダンピングも起こりかねません。
「きちんとした免許がないために事業者間で価格競争に陥ってしまっては、安全性の担保にコストを掛けない粗悪なサービスしか提供できないということになりかねません。ドローン物流のサービスを受ける側にとっても、提供する側にとっても不幸なことになってしまいます。双方にとって良い免許制度を整備しなければいけません」

――2022年の大きなテーマとしては、国が始めようとしている機体の登録制度なりライセンスなり、ドローン普及の基礎となる諸制度をうまくスタートさせていくことになりそうですね。
「そうですね、まずは今導入しようとしている制度をいかにユーザーにとってメリットがある内容にしていくことが重要です。サービスの品質向上や安全維持が強く求められますので、基盤を作っていく時期になるでしょう」

――ドローンの社会実装は22年でさらに進むとご覧になりますか。
「既に昨年1年間でかなり前進しましたので、また新しい制度が導入されることでより現実的なものになっていくのではないでしょうか」

――「レベル4」のドローン物流は、実際に都市部でサービスが始まるのは早くて数年後ぐらいとの見方が関係者の間では根強いですが、そのように展望されますか。
「レベル4の資格がある機体と免許を取った人が出てくるのは、実際には23年以降になるでしょうね。そこから徐々にレベル4のドローン物流がスタートしていくということで、本格化するのは早ければ再来年の24年という流れかもしれないですね。準備がまだ当分必要なのかもしれません」

(藤原秀行)

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