コロナ禍で巣ごもり需要、量販店向けTC事業や家庭用冷凍食品が好調
ニチレイは2月2日、2020年第3四半期(4~12月)連結決算に関するオンライン会見を開催した。
ニチレイロジグループ本社を中心に展開している低温物流事業は売上高が前年同期比2・8%増の1598億6600万円、営業利益が18・2%増の113億2200万円だった。主要な事業セグメントの中で唯一増収増益だった。
国内は新型コロナウイルスの感染拡大で輸入貨物が減少するなどの影響があったものの、「巣ごもり需要」で冷凍食品などの販売が伸び、量販店向けTC(通過型センター)事業や家庭用冷凍食品などの保管貨物の取り扱いが伸びたことが収益に貢献。経費抑制や業務効率化も奏功した。
海外は飲食店向け配送がコロナ福で不振だった半面、量販店向けは日本と同じく伸長した。業務の作業効率向上や車両調達コスト減少もプラスに働いた。
21年3月期の予想は、売上高が昨年11月時点の数値から55億300万円引き上げ2120億円(前期比2・7%増)、営業利益も10億7500万円引き上げ129億円(9・1%増)にそれぞれ修正した。
第4四半期(1~3月)は庫内業務効率化に向けた機器導入や新設・建て替えセンターの稼働に伴う一時費用発生などで減益を見込むが、TC事業が引き続き好調を維持すると予測。貨物の荷動きも回復基調にある点を反映させた。
オンライン会見でニチレイの岸正明グループコミュニケーション部長は、国内の低温物流事業に関し「緊急事態宣言が再度発令されたこともあり、巣ごもり需要がライフスタイルの変化とともに当面続くのではないか。その間は量販店の好調が続き、TC業務や家庭用冷凍食品が比較的好調に推移するだろう」と展望。
海外については、量販店向けが健闘していることなどから事前予想ほど業績が落ち込んでいないものの、「本格的な回復はもう少しコロナの状況が落ち着いてくるのが条件になってくる」との見方を示した。
(藤原秀行)