苦境の百貨店活性化策議論で官民研究会が初会合、配送や在庫管理の共同化など検討へ

苦境の百貨店活性化策議論で官民研究会が初会合、配送や在庫管理の共同化など検討へ

経産省開催、7月ごろめどに提言取りまとめ

経済産業省は3月2日、経営環境が厳しい百貨店業界の活性化策を議論する「百貨店研究会」(座長・伊藤元重学習院大国際社会学部教授)の初会合を同省内で開いた。メンバーは今年の7月ごろをめどに提言をまとめる方針を確認した。

今後は人手不足や働き方改革など環境変化を踏まえ、店舗運営の効率化や販売実績のデータ共有・活用による需要予測、配送や在庫管理の共同化とデジタル化などについて検討を進める。経産省が提言を基に政策を展開していく見通し。

研究会には日本百貨店協会の村田善郎会長(高島屋社長)、慶応義塾大大学院政策・メディア研究科の夏野剛特別招聘教授、岡山市の赤坂隆産業観光局長ら有識者や流通・百貨店業界関係者、地方自治体幹部の計10人が参加。オブザーバーで公正取引委員会も名を連ねている。

会合では、百貨店の売り上げが都市部と地方の両方で落ち込んでいる点を危惧するとともに、新型コロナウイルスの感染拡大で宅配などの「新しい生活様式」が定着していく中、「百貨店の事業環境は大きく変動していく可能性がある」と指摘。人手不足や働き方改革といった環境変化の中で、業界活性化のための方策を議論することを確認した。

事務局の経産省からは、論点の候補として、大都市や地方など立地・戦略に応じた今後のビジネスモデルの在り方、営業時間・休業日の在り方、サプライチェーンの非効率性に起因する食品・アパレル商品の販売ロス削減などを提示した。

(藤原秀行)

関連資料はコチラから(経産省ウェブサイト)

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