杉山会長、物流施設への投資は引き続き好調と展望
不動産証券化協会は3月22日、東京都内で理事会を開き、2021年度の事業計画を決定した。
日本でJリートが初めて上場してから今年9月で20周年を迎えるほか、22年12月には同協会設立20周年になることを踏まえ、活動も新機軸を打ち出していく方針を確認。
具体策として、これまでの3カ年の中期事業計画に代わり、新たに同協会が中長期的に目指す方向性を示す「ビジョン」、使命や存在意義を明示する「ミッション」、価値観や行動規範を打ち出す「バリュー」を、21年度末をめどに策定し、同協会の基本的行動理念の体系にしていくことを確認した。環境負荷低減に配慮した不動産への投資促進や不動産投資活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速などがテーマになるとみられる。
併せて、Jリートの認知度を一層高めていくことや、空港や港湾、道路といったインフラ施設やCRE(公有不動産)が投資対象となるための研究を継続することなどを列挙した。
同協会の杉山博孝会長(三菱地所会長)は理事会後の記者会見で、Jリート20周年に関連し「新型コロナウイルスの感染拡大で後退した日本経済を再び正常軌道に乗せ、(先進技術を社会課題解決に生かす)『Society5・0』の実現に寄与するために、Jリートがさらなる進化と発展を遂げることが期待されている」と強調。投資対象となるアセットの多様化などを進める姿勢を示した。
不動産投資市場の展望については「物流施設はコロナ禍におけるeコマースの進展の影響が大変大きく、実際の開発も進んでいる。Jリート(の銘柄)も昨年を上回る成長をしている。この傾向は今後とも続くとみている」と述べ、物流施設がJリートの成長を引き続きけん引していくことに期待感をにじませた。
会見する杉山会長
(藤原秀行)