コロナ禍で景気刺激策が奏功、感染前水準には達せず
WTO(世界貿易機関)は3月31日、世界の貿易量に関する調査結果を発表した。
2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が響き、前年実績から5・3%減ったものの、昨年4月時点で「悲観的なシナリオ」の場合として32%減を見込んでいた状況からは改善した。各国政府が景気刺激策を積極的に行ったことが奏功した。
21年は8・0%増と持ち直すことを想定。昨年10月時点の見通しから0・8ポイント上方修正した。北米や欧州などを中心に輸出入が伸びるとみている。
ただ、22年に関しては4・0%増で、21年より成長が鈍化することを見込んでいる。WTOはコロナワクチンの供給遅れなどがリスクになり得ると指摘している。貿易量自体は22年の時点でもコロナ感染拡大前の水準には達しない見通しだ。
世界のGDP(国内総生産)は20年に3・8%縮小した後、21年は5・1%、22年は3・8%増えると見積もっている。
(藤原秀行)
WTO調査結果はコチラから(英文)