宅配大手3社、20年度の取扱量は過去最多更新が濃厚に

宅配大手3社、20年度の取扱量は過去最多更新が濃厚に

コロナ禍でEC利用伸び、小型サイズの活用広がる

宅配大手3社の荷物取扱量が2020年度はそろって過去最多を更新することが濃厚になった。背景には新型コロナウイルスの感染拡大でECの利用が伸び、自宅のポストに直接投函される小型サイズの宅配活用が広がっていることがある。

ヤマト運輸は20年度累計で前年度比16・5%増の20億9699万個に達し、初の20億個を記録した。特に小型荷物向けの「ネコポス」が70・0%増の2億9331万個となり、全体の伸びをけん引した。

佐川急便はまだ20年度の累計数を公表していないが、2月の「飛脚宅配便」はBtoCの伸びを受けて前年同月から6・7%増の9800万個となり、12カ月連続で前年実績を上回った。SGホールディングスの21年3月期第3四半期(20年4~12月)連結決算によると、飛脚宅配便の取扱個数は同期間の累計で6・5%増の10億2000万個となっており、年度を通してプラスで着地するのは間違いない情勢だ。

日本郵便も20年4月から21年2月の累計で「ゆうパック」の引受数が13・1%増の10億161万個に到達、過去最多ペースの勢いを維持している。特に小型の「ゆうパケット」は18・6%増の4億5715万個と活況を呈している。

取り扱う荷物量の増加で配送などを担う現場の負荷が重くならないよう、宅配3社は受け取る側が指定した玄関先などに荷物を置く「置き配」への対応などを進めている。将来の活用を目指し、配送ロボットの実証実験にも乗り出している。EC市場の成長は今後も続くと見込まれるだけに、各社は業務の効率化を着実に実現していくことが必須課題となる。

(藤原秀行)

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