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【独自取材】東京建物、「環境配慮型物流施設」を基本方針に設定

【独自取材】東京建物、「環境配慮型物流施設」を基本方針に設定

太陽光発電を積極導入、ZEB認証取得も

東京建物は、自社で開発する物流施設に関し、再生可能エネルギーの積極的な利用などに取り組み、省エネや温室効果ガス排出量削減を実現する「環境配慮型」を基本とする方針だ。

今年1月、東京ガスと連携し、物流施設に設置した太陽光発電設備で生み出した電力を自家消費するとともに、余った分は近隣の自社商業施設へ送電する取り組みを発表した。今後も物流施設に大容量の太陽光発電設備を搭載するなどして、施設の省エネルギーを徹底する計画だ。

東京建物は年間500億円程度の物流施設開発を進めることを視野に入れ、4大都市圏を中心に全国で優良な開発用地の取得に動いている。ESG(環境・社会・企業統治)領域への投資が重視される中、物流施設における環境配慮は施設を利用する荷主企業や物流事業者の間でさらに注目されていくとみて、対応を強化する。

グループ間の「自己託送」で余剰電力を有効活用

東京建物は2018年、物流施設開発事業に参入。自社開発の第1号案件として、埼玉県久喜市で「T-LOGI(ティーロジ)久喜」が20年6月に竣工した。SGホールディングス傘下で3PL事業などを展開している佐川グローバルロジスティクスと地元の埼玉を地盤とする物流企業のヤマイチ(同県熊谷市)、福島の物流企業ヤナイ(福島県矢吹町)が入居し満床になる好調な滑り出しを見せた。既に10カ所以上でプロジェクトに着手済みという。


「T-LOGI久喜」(東京建物提供)

東京建物の川添有一ロジスティクス事業部長兼事業グループリーダーは「関東以外に大阪や愛知、福岡でも開発を進めていくほか、事業の機会があれば地方都市でも積極的に用地を獲得したい」と方針を説明。最近主流となっている大規模なマルチテナント型だけではなく、中・小規模のサイズのものにもチャレンジする姿勢を見せた。

同社は20年2月に発表した、30年ごろを見据えた長期ビジョンの中で、目指すべき姿として、社会課題の解決と企業としての成長を従来以上に高い次元で実現する「次世代デベロッパー」を標ぼうしている。その一環として、事業の持続可能性を重視した環境負荷低減にも注力していく構えを見せている。

東京ガスとの連携では、自家消費する太陽光発電の余った電力を同一企業やグループ企業の異なる施設に送ることが可能な「自己託送制度」を利用。T-LOGI久喜に大容量の太陽光発電パネルを搭載し、生み出した電力のうち余剰分は東京建物が群馬県伊勢崎市に所有している大型商業施設「スマーク伊勢崎」に送る。再生可能エネルギーを無駄なく使うことで、温室効果ガスの排出削減や電気代の節約に貢献する狙いがある。


自己託送のスキーム(東京建物提供)

こうした取り組みを踏まえて、T-LOGI久喜は建物で消費するエネルギーを自給自足できる「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)」の認証を国から取得することを目指している。今後開発する物流施設についても太陽光発電の積極展開などを標準的な取り組みに据え、ZEB認証取得を基本にする計画だ。自己託送はT-LOGI久喜以外の物流施設でも実施を想定。再生可能エネルギーは風力や水力、バイオマス発電の利用についても検討している。

川添氏は「特に外資系の荷主企業の間では物流施設を選ぶ際に環境負荷軽減の取り組みの有無が重視するポイントの1つになりつつあるように感じる。物流施設で環境に配慮することは定性的な評価で確実にプラスとなってきている」と分析。環境配慮型物流施設の歩みを加速させる姿勢を見せている。

(藤原秀行)

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