近鉄グループ、福山通運株を全て売却し資本関係解消へ

近鉄グループ、福山通運株を全て売却し資本関係解消へ

財務基盤強化図る、業務面で協力は継続

近鉄グループホールディングス(GHD)は5月11日、同社と近畿日本鉄道、近鉄バス、近鉄リテーリングのグループ4社で所有している福山通運株式を全て売却すると発表した。福山通運が実施する自己株式の公開買い付けに応募する。

近鉄GHDによると、今年3月末現在、4社で福山通運株式の約17%(福山通運が持つ自己株式分を除いた割合)に相当する835万1200株を所有している。買い付けは5月12日から6月8日までで、6月末に決済を開始する予定。

福山通運によると、近鉄GHD側から売却の意向が示されたという。買い付け額は1株当たり4049円のため、4社が全株を売却できた場合、総額約338億円となる見込み。近鉄GHDは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う鉄道利用激減などの影響で収益が悪化しており、売却益で財務基盤強化を急ぐ。

近鉄GHDは資本関係を解消した後も、業務面での協力は継続する見通し。近畿日本鉄道は今夏をめどに福山通運と組み、大阪~名古屋間の特急列車で貨物を運ぶ貨客混載サービスを始める方針を発表している。

(藤原秀行)

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