BEENOS、日本企業の流通拡大目指す
eコマース事業とインキュベーション事業を手掛けるBEENOS(ビーノス)は5月27日、同社の完全子会社が運営する越境ECの代理購入サービス「Buyee(バイイー)」で5月から航空便によるロシア向けの新配送サービスを独自に導入したと発表した。
今回のサービスを利用すれば約10日のリードタイムで日本からロシアへの配送が可能となる。
同サービス追加により、ロシアの利用者に対し、これまでよりも利便性が高くリーズナブルなサービスの提供を実現。越境ECで非常に成長性の高いロシア市場における日本企業の流通拡大を目指す。
全世界的に越境EC市場が伸長する一方で、Buyeeにおける日本からロシアへの物流は、昨年から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて日本郵便のEMS(国際スピード郵便)や航空便が一時停止していることにより、船便しか輸送手段がない状況が長く続いていた。
こうした状況を打開すべく、Buyee独自の航空便による物流経路を開拓し、今回の新配送サービスのリリースへと至った。
輸送手段が船便に限定されていたことにより、到着に2〜3カ月以上要していたロシアへの配送を大幅に短縮。コロナ禍で最大限コストを抑えた配送料金を実現している。
19年時点で発表されたロシアのEC市場は310億ドル(約3兆4000億円)と世界で9番目の規模。また、ロシアEC市場の伸長率は世界第3位となっており、19~23年までの平均成長率は8%と予測されている。さらに20年のロシア国内のEC取引額はコロナ禍による需要の増加により前年比1・9倍の約2兆7810億ルーブル(3兆8934億円)に達する。
一方、航空便の激減など、物流の混乱の影響を受け、越境ECにおける取引額は前年比24・9%減少したが、本来のロシアEC市場の特徴として、EC売上高全体に占める越境ECの割合の高さが挙げられる。18年時点でロシアの越境EC市場はEC売上高全体の3割を占めており、ロシアの消費者の購買動向として、越境ECを積極的に活用していることが分かる。
こうしたことから、BEENOSはロシアが越境ECにおいて極めて潜在力の高い市場だと判断。今回の新配送サービスによってロシア市場におけるBuyeeのシェア拡大とともに、Buyeeでロシアユーザーから人気のルアーや釣竿といった釣り具などホビー関連アイテムや美容、健康関連アイテムのさらなる伸長と購入カテゴリの拡大が期待できるとみている。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)