ヤマト総研と野村総研、国際フィジカルインターネット会議で日本の取り組みを初めて発信へ

ヤマト総研と野村総研、国際フィジカルインターネット会議で日本の取り組みを初めて発信へ

上智大名誉教授・荒木氏がオーガナイザー、「地域物流」などで講演

ヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマトグループ総合研究所と野村総合研究所(NRI)は6月10日、オンライン上で同14~16日に開催される「第8回国際フィジカルインターネット会議(8th International Physical Internet Conference、IPIC)」内セッションの企画・運営を担当し、日本におけるフィジカルインターネットに関する取り組みを発信すると発表した。

フィジカルインターネットは世界を大きく変えたインターネットの在り方を物流の世界でも実現することを目指す考え方。ネットが各地の通信設備や回線を利用者間で共有することにより情報を瞬時にやり取りできるようになったのにならい、トラックや倉庫、パレットといった物流のフィジカル(物理的)な要素をあらゆる事業者や利用者が共有、その都度最適なアセットを使えるようにし、輸送・保管効率向上などにつなげることを目指している。

IPICで、日本の取り組みを発信するのは今回が初めてという。

ヤマト総研とNRIは連携してフィジカルインターネットに関する研究を推進。2019年からはNRIのサプライチェーン・物流の専門スタッフ2名がヤマト総研の客員研究員として活動を始めている。

ヤマト総研は19年9月に米国ジョージア工科大、20年8月にはパリ国立高等鉱業学校とフィジカルインターネットの取り組みに関する覚書をそれぞれ締結、同6月にはフィジカルインターネット懇話会を発足、今年1月に同社が主催した「フィジカルインターネットシンポジウム」では、日米欧のフィジカルインターネットを研究する有識者が一堂に会して各々の取り組み内容の共有や活発な意見交換をするなど、フィジカルインターネットの認知度向上に向けた様々な取り組みを進めてきた。

一連の活動に、NRIの専門スタッフもヤマト総研の客員研究員として関わってきた。両社の積極的な姿勢が評価され、IPICでヤマト総研専務理事の荒木勉氏がオーガナイザーとして日本の取り組みを紹介するセッションを企画し、その運営をヤマト総研の客員研究員でもあるNRI主席研究員の藤野直明氏、NRI上級コンサルタントの水谷禎志氏が行う。荒木、水谷の両氏は科学委員会のメンバーに就任し論文審査にも携わる。

両社は今後も日本におけるフィジカルインターネットの認知度向上に向けた施策を推し進めると同時に、日本の取り組みを世界に向けてPRしていく方針だ。

セッションの概要
日時:2021年6月16日(水)16:00~17:30(日本時間)
題目:日本における物流革新の取り組み
オーガナイザー:ヤマトグループ総合研究所専務理事・上智大名誉教授 荒木勉氏
・講演1:物流クライシスを乗り越えるスマート物流サービス「地域物流」の取り組み
・講演2:持続可能な加工食品物流プラットフォームの構築を目指して
・パネルディスカッション(フィジカルインターネットへの期待)
参考URL(英語ページ):https://www.pi.events/IPIC2021/content/ipic2021-agenda

(ロジビズ・オンライン編集部)

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