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「コロナ禍で人手不足などの課題は先鋭化・鮮明化」、物流DX推進加速を明示

「コロナ禍で人手不足などの課題は先鋭化・鮮明化」、物流DX推進加速を明示

政府が21年度から5年間の新たな総合施策大綱を閣議決定

政府は6月15日、2021年度から5年間における物流関連政策の方向性を明示した新たな「総合物流施策大綱」を閣議決定した。

新大綱は、深刻な人手不足や新型コロナウイルスの感染拡大による「非密集・非接触」の重要性の高まりなどの環境変化を踏まえ、物流領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)実現を図る重要性を強調。

“物流業界の構造改革”へアクセルをより踏み込み、自動化・省人化や業務のデジタル化、入出荷や輸送に関する情報の共有、物流機器の標準化などを加速させていく姿勢を打ち出し、荷主企業や物流事業者らが協調して取り組みを進めるよう強く促した。

「構造改革を一気呵成に進める好機」

大綱は1997年に5年計画として初めて閣議決定。その後、経済情勢の変化などを考慮して内容を計4回改定しており、直近の計画は17~20年度が対象だった。

新大綱は現下の社会環境に関し「今般の新型コロナウイルス感染症の流行による劇的な社会環境の変化は、これまで進捗しなかった物流のデジタル化や、物流業界における構造改革を加速度的に促進させる誘因となる可能性があり、これらを一気呵成に進めるまたとない好機」と明言。

併せて、コロナ禍で物流の持つ社会的役割の大きさが見直されている潮流に言及し「こうした機を逸せず、エッセンシャルという位置付けが再認識されている物流の社会的価値を広く一般に浸透させることが必要」と訴えた。

また、前大綱の進捗状況を総括。「様々な施策が推進され、物流事業者のみならず、一定の荷主や消費者の間でも物流の重要性について理解が深まり、具体の取組に結び付いてきたことは、大きな成果といえる」と自己評価した。

同時に、前大綱が掲げていた物流生産性に関連する代表的な指標の推移を踏まえ、トラックの積載効率が4割を下回っていることなどから「定量的に見れば(取り組みは)いまだ道半ばであると評価せざるを得ない」との厳しい見方も示した。

さらに、コロナ禍で社会が劇的に変化したこともあり、物流が直面している課題は先鋭化・鮮明化していると指摘。「これまで『競争領域』とされる部分が多かった物流について、『協調領域』もあるという前提の下、協調領域を積極的に拡大する方向で捉え直すことも重要」と明示、荷主企業や物流事業者の連携を強く要望した。


大綱の骨子(国土交通省開示資より引用)

「簡素で滑らか」「担い手にやさしい」「強くてしなやか」が柱

その上で、既に公表してきた通り、21年度以降の政策の方向性として
①物流DX(デジタルトランスフォーメーション)や物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化=(「簡素で滑らかな物流」の実現)
②労働力不足対策と物流構造改革の推進=(「担い手にやさしい物流」の実現)
③強靱で持続可能な物流ネットワークの構築=(「強くてしなやかな物流」の実現)
――を設定。

具体策は倉庫へのロボット導入支援、隊列走行・自動運転の実現に向けた取り組みの推進、共同輸配送の拡大、列車やバスで荷物を運ぶ貨客混載の適切な展開、倉庫シェアリングの推進、ドローン物流の実用化などを並べた。

併せて、大規模災害や感染症流行といった国際情勢の大きな変化や有事の発生に直面しても機能を維持できる強靭性・弾力性を備えた物流に変革するため、災害発生時の基幹的海上交通ネットワーク機能の維持、港湾で「ヒトを支援するAIターミナル」に関する各種取り組みの推進、モーダルシフトの一層の推進などを盛り込んでいる。

(藤原秀行)

新たな大綱はコチラから(国交省ホームページ)

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