東京大と丸和運輸機関がスポーツ科学の共同研究で合意、和佐見社長が個人寄付で先進研究設備建設へ

東京大と丸和運輸機関がスポーツ科学の共同研究で合意、和佐見社長が個人寄付で先進研究設備建設へ

社会人ラグビーチーム選手が協力し能力向上や戦術強化

東京大学スポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)と丸和運輸機関は7月6日、スポーツ科学に関する共同研究を行うことで合意したと発表した。

丸和運輸機関の社会人ラグビー部「AZ-MOMOTARO’S(アズモモタロウズ)」に所属する選手の動きをセンサーやカメラの動作解析システムでデータ収集・分析し、各選手の能力向上や戦術強化などにつなげることを目指す。

併せて、丸和運輸機関の和佐見勝社長が個人で約20億円を東京大側に寄付し、千葉県柏市の東京大柏キャンパス内の敷地約5万2000平方メートルで、天然芝と人工芝のラグビーグラウンドやクラブハウスを備え、身体運動に関する先進的な研究が可能な「センシングフィールド(仮称)」を整備することも発表した。全体の完成は2022年9月を見込む。

共同研究は選手の身体と精神の状態を最適化するためのシステムの開発研究なども想定。将来は高齢者や障がい者の運動機能改善などにも成果をつなげていきたい考え。共同研究推進のため、別途、丸和運輸機関から東京大側に毎年1000万円をトータル15年、初期投資を含めて総額2億円を寄付する方針。

東京都文京区の東京大本郷キャンパス安田講堂内で記者会見した東京大の藤井輝夫総長は、これまでにもBCP(事業継続計画)の研究などで協力していることに触れ「今回の研究を機に丸和運輸機関様との連携が一層深まることを期待したい」と説明。

和佐見社長は「どのような成果が出るか私も非常に期待している。自動運転やドローンのような先端技術についても東京大学様からご指導いただきながら知見を身に着けていきたい」と語った。

丸和運輸機関のラグビー部は2014年創部で、現在はスタッフ12人、選手66人。ジャパンラグビーのトップイーストCリーグ(DivisionⅡ)に所属している。


会見で撮影に応じる(左から)和佐見社長と藤井総長


センシングフィールド(仮称)の完成イメージ(丸和運輸機関プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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