ZMPとENEOSHDが今秋めどに無人宅配ロボのデリバリー実験2回目を実施へ、人が帯同せず遠隔監視を想定

ZMPとENEOSHDが今秋めどに無人宅配ロボのデリバリー実験2回目を実施へ、人が帯同せず遠隔監視を想定

SSを発送拠点に活用し近距離店舗商品を安価で配送、クリーニングなどの集荷も検討

ENEOSホールディングス(HD)は7月13日、ZMPが東京都内の本社で開催したイベントで、同社と連携して実用化を目指している、ZMPの宅配ロボット「DeliRo(デリロ)」を使った無人デリバリーについて、今年秋をめどに実証実験の2回目を行う方針を明らかにした。

また、2022年度をめどにまず1カ所のエリアでサービス提供を開始し、その成果や課題を踏まえ、23年度に地域の“買い物難民”解消などに向け本格的に事業展開していくとのロードマップ(工程表)を示した。

両社は今年2月、宅配代行のエニキャリとも協力し、東京都中央区の佃・月島エリアで実施。ENEOSのサービスステーション(SS)にデリロを配備し、充電などを行うとともに、住民からの注文を受け、同エリアに構えている外食やコンビニの10店舗から預かった料理などを複数のロボットを駆使し、住民に届けた。移動中は人がそばに付いて歩き、接触事故などがないようチェックした。

ENEOSHD未来事業推進部事業推進第3グループの片山裕太氏は、1日当たり2~3件の宅配注文が入り、ほぼ100%自動でSSから注文した人が住む高層マンションまで届けられたと指摘。利用者からは予約注文ができればいいといった意見や、料金がもう少し安ければより利用するといった感想が出たことに言及した。

片山氏は、実験に関して課題はあったものの「技術的なところは問題なく行えた。(住民に)一定程度許容度があった」と総括した。第2弾の実験は、SSにデリロを配置し発送拠点として運営、半径1キロメートル以内の地域店舗から配送を請け負うことを想定していると説明した。デリロは人が帯同せず遠隔監視する方向で、新たにクリーニングや靴の修理などで集荷・配送サービスを提供することも検討していると明らかにした。

「地元にお金が落ちるような地域貢献型のデリバリーインフラを構築した上で、パッケージをいろいろなところへ展開していきたい。可能な限り多くのお店に参加していただきながら、ビジネスとして成立し得るかどうか検証したい」と意気込みを語った。


デリロとともに発表後の撮影に応じる(左から)ZMP・龍健太郎ロボライフ事業部長、ENEOSHD・六代玲子未来事業推進部事業推進3グループマネージャー、片山氏

(藤原秀行)

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