物流企業にも影響、各地で混乱
西日本を中心とする大雨で高速道路の一部区間が通行止めになるなど影響が広がっており、物流も各地で混乱している。
国土交通省が8月16日午前8時半時点で公表したところによると、佐賀県内で営業倉庫2棟に浸水の被害が発生している。公共トラックターミナルについては今のところ被害の報告は寄せられていないという。ただ、佐賀県内でエスケイ物流、肥前通運、佐ノ江海陸運輸の3社が、事務所やトラックの浸水などの被害を受けている。
日本郵便によると、8月15日午後1時現在、長野、富山、島根、広島、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島の北陸・中四国・九州11県で275カ所の郵便局が窓口業務の休止に追い込まれている。また、高速道路の通行止めなどのため、長野県、岐阜県、中国地方および九州地方で引き受け・配達となる郵便物・ゆうパックなどの配達の一部に遅れが発生している。
ヤマト運輸は8月16日午前9時現在、広島、島根、熊本、長崎、佐賀、福岡の中国・九州6県の全域または一部地域で大雨による集配遅延が発生。青森県や静岡県も土砂災害による遅延が解消されていない。
佐川急便も8月16日午前9時時点で、九州の7県全てで集配遅延が発生。一部地域は集配自体ができなくなっている。併せて、先週末豪雨が起きた長野県や神奈川県の一部地域も集配に影響が生じている。
西濃運輸も8月16日午前9時の情報として、京都市の左京区と東山区の一部で集配を見合わせているほか、長野市の一部などで集配遅延が起きていると説明。福山通運は8月16日午前、九州・中国地方など9県で配達遅延が発生していると発表した。
中日本高速道路(NEXCO中日本)によると、8月16日午前11時の時点で、法面が崩落した中央自動車道の岡谷JCT~伊北IC間で通行止めを実施。JR貨物によれば同15日から山陽線の小野田~厚狭駅間が運休となっている。路盤が大量に流出するなどしており、復旧には10日程度が掛かる見込みで、当該区間を中心とした貨物輸送の混乱はしばらく避けられそうにない。
岡谷JCT~伊北IC間の様子(NEXCO中日本プレスリリースより引用)
(藤原秀行)