国交省の「標準運賃」採用し利潤確保に配慮、支払いサイクルも短く
大阪を地盤に運送業などを展開している木村創建(大阪市中央区)はこのほど、運びたい荷物と空いているトラックをマッチングするサービス「トラックシェアリング」を開始した。
荷主企業の担当者はスマートフォンで専用アプリをダウンロードしてサービスの利用を開始。スマホアプリから配送依頼が可能なため、電話やファクスのやり取りが不要になるのが大きなメリットだ。運送事業者が荷物を引き取った段階でアプリのGPS機能が作動、リアルタイムで荷物の現在地を把握できる。不明点はチャットで運送事業者やドライバーに確認する。
運送事業者はPCから木村創建が運営しているトラックシェアリングのウェブサービスにアクセスして登録すれば、急いで配送する必要がある荷物の輸送依頼情報を容易に探せるようになる。登録料は無料で、希望条件を登録しておけば、その条件に合致した仕事を運送事業者に自動通知する。ドライバーも別の専用アプリを活用、ウェブサービスと連動し荷物の配送先などの情報を確認する。
料金は国土交通省が2020年に告示した「標準的運賃」を採用して明確に設定、運送事業者が適正な利潤を得られるよう配慮している。荷主企業もウェブサービス上で積み地と降ろし地を入力すれば自動計算された運賃をすぐに把握できる。
決済は全てクレジットカードで行い、運送事業者の与信管理の手間を削減する。また、月曜から日曜までの取引分に関しては翌週の金曜日に指定口座へ自動入金し、入金サイクルを短くして運送事業者の資金繰りを支援している。
同社はトラックシェアリングを始めた経緯について「新型コロナウィルスの影響で多くの運送業者が未曾有の危機に立たされており、適正に運送業者が評価される仕組みを作りたいと思い、荷主と運送業者をつなぐアプリをリリースした。サービスを利用して急ぎで荷物を送りたい荷主と適正な価格で運送依頼を受けたい両者の『win-win』の関係を作りたい」と話している。
荷主企業のメリット
運送事業者のメリット(いずれも木村創建提供、イメージ写真も)
(藤原秀行)