床にライン不要で指定した部屋に移動、エレベーター制御し異なるフロア間も
FIG(大分市)と傘下の事業会社4社、大分県は9月6日、同県が運営する宿泊療養施設で、入所者への食事配送やゴミ回収を無人配送ロボットが行う実証実験を行ったと発表した。
参加した4社はciRobotics、モバイルクリエイト、石井工作研究所、ケイティーエス。期間は今年3月4日~4月23日の約1カ月半。無人配送ロボットを活用し、宿泊療養業務に従事する職員の業務負担軽減や感染症のリスク低減を図るのが狙い。
ciRoboticsによると、宿泊療養施設内で無人配送ロボットを活用し、運搬業務をフルオートメーション化した取り組みは国内で初めてという。
実験に先立ち、昨年5月には同県内で初めて開設した宿泊療養施設を使い、テープ上を走行する無人配送ロボットを弁当配送やゴミ回収に用いる試験的な取り組みを県とciRoboticsなどで展開。実際の業務で活用するための課題の洗い出しなど準備を進めてきた。
センサーで周囲の環境を把握し、周辺地図の作成と自己位置推定を行うSLAM技術を採用したロボットを投入することで、ホテル内の床にラインを施工せず、指定した部屋に自動配送することを実現。併せて、エレベーターとロボットを制御し、ロボットが自らエレベーターで異なるフロア間を移動。ホテルの客室にあるテレビシステムと連動し、ロボットの到着確認を自動で行うシステムも取り入れた。
各社と同県は今後もサービスロボットの実用化を目指し、研究を進める方針。
ロボットを使った配送実験の様子の概要(FIGなど提供)
(藤原秀行)