T2がセイノー、日本郵便と高速道で実証実験開始、7月にも商用化目指す
自動運転トラックの開発を手掛けているT2とセイノーホールディングス(HD)、日本郵便、同社グループのJPロジスティクスの4社は2月12日、神奈川県相模原市の物流施設「GLP ALFALINK相模原1」で、同日に関東~関西間の高速道路でトラックを自動運転させる実証実験を始めるのに併せて、このトラックに荷物を積み込む様子などをメディアに初めて公開した。
「物流2024年問題」やトラックドライバー不足を受け、幹線輸送を自動化することで、物流の持続可能性を高めるのが狙い。
「GLP ALFALINK相模原1」内のJPロジ拠点に到着したT2の自動運転トラック
実験は2月12~13日にかけて、「GLP ALFALINK相模原1」内にあるJPロジスティクス(1階)とセイノーHD傘下の西濃運輸(5階)の営業拠点でそれぞれ両社の荷物をT2の自動運転トラックに積み込み、混載した上で高速道路を経由して両社の大阪の営業拠点に向けて出発。
到着後は、2月13~14日にかけて、大阪市内の新大阪郵便局と西濃の営業拠点からそれぞれ荷物を積み、再び高速道路を経て神奈川県愛川町の西濃営業拠点と同県海老名市の神奈川西郵便局に向けて荷物を配送する。
JPロジの荷物を積み込む
西濃の荷物を積み込む
自動運転は関東~関西間の約500kmのうち、新東名高速道路の静岡~愛知の一部区間約180kmで実施。ドライバーが運転席に乗り込み、緊急時はすぐに手動で運転できるよう待機しておく「レベル2」の自動運転を行う。自動運転区間以外は、乗り込んだドライバーが運転する。
トラックはT2がいすゞ自動車の大型トラック「ギガ」にセンサーなどの機器を搭載、GPSや高精度のデジタル地図システムなども駆使して自動運転を可能にしている。運転席と荷台を切り離して運用できるスワップボディコンテナを採用している。
混載が完了した荷台
運転席の様子
大阪に向けて出発
4社は今年1月、初めてJPロジと西濃が実際に顧客から預かった貨物を積んで同様のルートで自動運転トラックの走行に臨んでおり、今回が2度目。1月よりも積載する荷物の量を増やしており、JPロジはパレット4枚分、西濃はかご台車2台分の計約4tを積み込んだ。
T2は今後も走行実証を続け、今年7月にも「レベル2」で実際の輸送サービスを始め、毎日1便を運行したい考え。27年には、一定の条件下で完全に自動運転する「レベル4」の輸送サービスをスタートさせることを目指す。
T2は今回の3社と併せて、佐川急便とも幹線輸送自動化に向けた実証を重ねている。
(藤原秀行)