ENEOSとゴールドマン・サックス設立の特別目的会社がTOB準備、9月7日に正式決定見通し
東京証券取引所第1部上場の道路舗装最大手NIPPOが、株式を非公開化する方針を固めたことが分かった。
NIPPO株式を約57%保有している親会社のエネルギー大手ENEOSホールディングスがゴールドマン・サックスと共同で立ち上げたSPC(特別目的会社)が近くNIPPOにTOB(株式公開買い付け)を実施し、ENEOS以外の株主からのNIPPO株式取得に乗り出す準備を進めている。その後、NIPPOがENEOSから自社株買いする予定。
NIPPOの直近の株価終値を基に単純計算すると、TOBには2000億円以上を要するとみられる。
ENEOSとNIPPOは9月6日夜、ダイヤモンド・オンラインが独自ニュースとして同日午後にENEOSの株式非公開化を伝えたことを受け、それぞれ自社が開示したものではないと強調した上で「9月7日開催の取締役会で審議する予定」との趣旨のコメントを発表。報道内容を事実上認めた。
世界的に化石燃料からの脱却を目指す「脱炭素」の動きが強まっているのを受け、ENEOSはNIPPOの非公開化で得た資金を再生可能エネルギーの活用促進などに充てるとみられる。他のエネルギー企業なども、上場している子会社の株式売却による資金捻出を迫られる可能性がありそうだ。
(藤原秀行)