【動画】パナソニックグループ、製造・物流業など向けソリューション強化

【動画】パナソニックグループ、製造・物流業など向けソリューション強化

専任組織を来年1月1日設置、“顧客との接点”担う新施設オープンへ

 パナソニックの社内カンパニーで製造業や物流業などBtoB分野のソリューション事業を手掛けるコネクテッドソリューションズ社(CNS、東京)は12月17日、都内の本社で、同社が理念に掲げる、IoT(モノのインターネット)などを駆使して業務効率化を後押しする「現場プロセスイノベーション」を加速するための新たな施策に関するメディア向け説明会を開催した。

 現場業務分析やコンサルティング、企画、システムインテグレーションといった多様な分野に関わる担当者を集結した専任組織「現場プロセス本部」を2019年1月1日付で設置。ロボット導入などを後押ししてサプライチェーンを横断したソリューションを臨機応変に提供できる体制を整え、サービスの差別化を図る。

 併せて、サービス強化のための新施設「カスタマーエクスペリエンスセンター」(CXC)を来年1月、CNS本社が入るビルにオープン。さまざまな分野ごとに精通した「エバンジェリスト」と呼ぶスタッフを配置、“顧客との接点”として要望を細かく聞き取り、適切なソリューション提案につなげる。


「カスタマーエクスペリエンスセンター」のエントランス。スクリーンで多様なメッセージを映し出す


センターのエントランス


エントランスのスクリーンがメッセージを映し出す

 説明会でCNSの樋口泰行社長は、パナソニックグループ自身が製造業として長年現場改善にこだわってきたことに触れ、「われわれのものづくりのDNAや積み上げてきたノウハウと現場プロセスイノベーションは親和性が高い」と指摘。

 「『つくる、運ぶ、売る』というバリューチェーンの中でそれぞれの現場の改善をつなげていき、あくまでも現場の方たち優先でデジタル化を図っていく」と強調。画像認識などの技術や製品を積極的に生かしていく姿勢を示した。

 現場プロセス本部長に就任予定の片倉達夫上席副社長は、BtoB分野のソリューション事業で20年までに累計100億円のプロジェクトを推進していると説明。「非常に引き合いは盛況」と述べ、同本部の人員を当初の約350人から1~2年で2倍の規模まで増やしたいとの考えを明らかにした。

 ソリューションの提供に際し、17年に買収したベルギーの物流企業支援大手ゼテス・インダストリーズの先端技術などを組み合わせていく方針を表明。併せて、他社と連携して新サービスを開発することや、中国や欧米でも日系企業など向けに同様のサービスを展開していくことに意欲をのぞかせた。


新たな施策を語る樋口氏

「見学」から「共創」に機能を転換

 CNSは説明会の後、CXCをメディアに公開した。CXCは商品の紹介や見学が主だった旧来のショールームから機能を転換し、エバンジェリストたちが顧客と議論しながら適切なソリューションの解を“共創”していくことに軸を置く。エバンジェリストは48人育成する計画。

 高機能の映像・音響機器システムを生かしながら、さまざまなテーマに沿ってソリューションを提案する「プレゼンテーションエリア」を設置。さらに、CNSが持つ「プロジェクションマッピング」の技術を使い、荷物自体に仕分け先などの情報を大きく投影してミス防止と作業効率向上を図るシステムなど、製造業や物流業、流通業向けの先端技術を案内するエリアを併設している。


テレビ会議も可能なプレゼンテーションエリア


さまざまなテーマに沿ってソリューションを提案する「プレゼンテーションエリア」。テレビ会議で遠隔地の専門家に登場してもらうことも可能


製造業や物流業、流通業向けのソリューションに活用する先端技術の案内エリア


松下幸之助氏の言葉を紹介する「経営理念」エリア

(藤原秀行)

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