帝国データの景気判断ID、9月の「運輸・倉庫」は2カ月連続で小幅悪化

帝国データの景気判断ID、9月の「運輸・倉庫」は2カ月連続で小幅悪化

半導体不足など影響か、全体では2カ月ぶり改善

帝国データバンク(TDB)が10月5日発表した9月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が35・8で、8月の前回調査から0・2ポイント低下した。小幅ながら2カ月続けて悪化した。

新型コロナウイルスの感染拡大下でも持ち直しの基調が持続していたが、ここに来て半導体不足による自動車メーカーの減産などで先行きに厳しい見方が増えた可能性がある。

一方、全業種ベースの景気DIは8月から0・7ポイント上昇し39・9で、2カ月ぶりに改善した。新型コロナウイルスの感染がワクチン接種の進展で減少傾向に転じたことなどがプラスになったもよう。TDBは全体の先行きに関し「感染拡大による下振れリスクを抱えつつも、緩やかに回復していくとみられる」と予測した。

10業界別に見ると、7業界が改善したが、製造業は半導体不足や原材料価格の高騰などが響いて悪化した。

運輸・倉庫業のコメントでは、先行きに対し「売り上げがだいぶ回復し、改善の兆しがみえ始めてきた」(港湾運送)、「新型コロナウイルスの影響により半導体の入手が困難で、いつ回復するか見通せない。供給不安が長引けば景気が悪化する」(特定貨物自動車運送)といった声が聞かれた。

調査は9月15~30日にインターネット経由で実施、全国の1万2222社が有効回答を寄せた。回答率は49・9%。運輸・倉庫業は584社が調査に参加した。

(藤原秀行)

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