デカルト・データマイン調査、家具類はコロナの巣ごもり特需が沈静化か
米調査機関デカルト・データマインが10月12日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、9月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比9・2%増の178万9427TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
前年実績を上回ったのは15カ月連続で、9月単月の実績としては過去最多を更新。総じて新型コロナウイルスの感染拡大による貿易不振からの脱却、復調傾向が持続している。
9月の実績を上位10カ国・地域別に見ると、トップの中国は9・8%増の114万8060TEUで、16カ月連続のプラスを記録。コロナ感染者が出た港湾でオペレーションが混乱したことなどから、7月(0・5%)、8月(0・6%)と低い伸びが目立ったが、持ち直してきた。
2位の韓国は23・8%増の15万5041TEU、3位のベトナムは家具類が落ち込んだことなどから7・4%減の11万7686TEU、4位の台湾は15・2%増の8万5032TEU。プラスとなったのは6カ国・地域だった。日本は10・1%減の3万376TEUだった。
デカルト・データマインは 米国向け品目でトップの家具類が9月は25・0%減になった点に着目。「昨年6月から続いたコロナ巣ごもり需要とみられる急増分が今年5月をピークに縮小、例年のボリュームに落ち着いた」との見方を示した。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の8月分は4・5%減の46万8648TEUで、3カ月連続のマイナスだった。中国向けは21・9%減の14万2572TEU、日本向けは6・8%増の5万4192TEUなどとなった。
(藤原秀行)