ESRが日本の物流施設対象の投資ファンド組成、今後5年間で総資産1兆円超目指す

ESRが日本の物流施設対象の投資ファンド組成、今後5年間で総資産1兆円超目指す

当初は兵庫・尼崎の大型物件など4棟で運用スタート

物流施設開発大手のESRグループを統括する香港のESRケイマンは10月21日、物流施設を投資対象とする「ESRジャパン・インカム・ファンド」(JIF)を組成したと発表した。

JIFには機関投資家4社が総額約7億5000万ドル(約851億円)を出資、クローズ(第1次募集完了)を迎えた。このうち3社は既にESRが運用している他のファンドなどにも出資済みという。

JIFにはESRが日本で開発した物流施設4棟を当初のポートフォリオに組み入れ、運用を始める予定。今後はESRが日本国内で開発する中・大型の物流施設を中心に取得する計画。現在建設中の総延べ床面積100万平方メートル以上のプロジェクトを含む。第三者が手掛ける大型案件の取得も可能。

4棟の総資産額は約10億ドル(約1135億円)で、JIFは今後5年間で100億ドル(約1兆1352億円)の到達を目指す。

最初に組み入れる4棟は大阪の「レッドウッド南港ディストリビューションセンター1」、埼玉の「ESR戸田ディストリビューションセンター」、神奈川の「ESR川崎夜光ディストリビューションセンター」、兵庫の「ESR尼崎ディストリビューションセンター」。トータルで延べ床面積は約61万8000平方メートルに及ぶ。

4棟のうち、「尼崎DC(ディストリビューションセンター)」はアジア最大級の延べ床面積38万8570平方メートルに達し、総資産額は約10億ドル(約1135億円)で16テナントが入居、稼働率は98%に達している。アマゾンジャパンも利用している。

4棟トータルの稼働率は99%、総資産額は約21億ドル(約2384億円)に上る。


JIFのポートフォリオに組み入れる4棟(上から尼崎DC、南港DC1、戸田DC、川崎夜光DC、いずれもESR提供)

(藤原秀行)

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