CBRE7~9月調査、過去最低水準
シービーアールイー(CBRE)が10月29日発表した主要エリアの大規模マルチテナント型物流施設の市場動向調査結果によると、今年第3四半期(7~9月)の近畿圏における空室率は1・6%で、前期(4~6月)から0・1ポイント低下した。5四半期続けて前期の水準を下回り、2015年以降の最低レベルが続いている。
今期竣工の4棟はいずれも比較的早い段階から1棟借りや大口のテナントが確定するなど、旺盛な需要が持続している。CBREは22年の新規供給が21年の2割程度にとどまる見通しになっていることを踏まえ「空室率は低い水準で推移する」との見方を示した。
1坪当たりの実質賃料は4100円で、1・2%(50円)アップした。
近畿圏の需給バランス推移(CBRE資料より引用)
中部圏は3四半期ぶりに上昇、福岡圏は2年余り空室ゼロ
中部圏の空室率は1・4ポイント上がって7・9%だった。3四半期ぶりに前期から上昇した。今期完成した1棟が空室を残していたことが要因だが、昨年竣工の物件で空室消化が大きく進んだという。実質賃料は3590円で、6四半期連続の横ばい。
中部圏の需給バランス推移(CBRE資料より引用)
福岡県は0・0%で、調査上は19年4~6月以来、2年余りにわたって空室がない状態が続いている。現状は22年1~3月まで新規供給がなく、同年4~6月に竣工予定の3棟は全て入居企業が内定しているという。
1坪当たりの実質賃料は0・9%アップの3230円だった。
福岡県の需給バランス推移(CBRE資料より引用)
調査対象は近畿圏が大阪、兵庫、京都を中心に延べ床面積1万坪以上の60棟、中部圏が愛知を中心に5000坪以上の29棟、福岡県が福岡、佐賀を中心に5000坪以上の24棟。
(藤原秀行)