海事産業の脱炭素化に貢献目指す
三菱重工業グループの三菱造船は11月4日、商船三井、名村造船所と連携し、アンモニアを燃料として航行する大型アンモニア輸送船を共同開発することで合意したと発表した。
今後、3社共同で同船の基本設計を進める。このうち三菱造船は最適カーゴタンクの検討・試設計、デッキタンクの開発、機関構成の検討、燃料供給装置の搭載設計、特殊艤装・荷役装置の設計、安全装置の搭載設計を担当する予定。
燃料としてのアンモニアは、燃焼時にCO2を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして将来的な需要増が見込まれており、海洋産業バリューチェーンが脱炭素へ移行する中で、海上物流に適した長期的な解決策として広く期待されている。
国際海事機関(IMO)などによれば、全世界のCO2排出量の約3%を海事業界が占めている。他産業における脱炭素化への取り組みが進むのに伴い、海事産業からの排出分の比率は相対的に増加する可能性が高いといわれている。
国内でもアンモニアはカーボンニュートラル実現に向けた有力な選択肢として位置付けられており、火力発電所における既存燃料との置換や水素キャリアとしての活用などといった用途を中心に需要の増加が見込まれている。
今回の取り組みでは、アンモニアを燃料とする大型輸送船により、アンモニアの海上輸送量増大を目指す。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)