オーケー、H2Oグループと統合承認の関西スーパー臨時総会「議決権行使集計に疑義判明」

オーケー、H2Oグループと統合承認の関西スーパー臨時総会「議決権行使集計に疑義判明」

対応検討、近日中に公表と説明

ディスカウントスーパー運営のオーケーは11月8日、関西スーパーマーケットが10月29日開催した臨時株主総会がエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループの食品スーパー2社との経営統合を可決したのに関し、総会の議決権行使数集計に疑義があることが判明したと発表した。

オーケーは、議案について本来は否決とされるべきだったにも関わらず、可決と処理されたと主張。今後の対応について「現在検討中であり、決まり次第近日中にお知らせする」との考えを表明している。裁判所に対して経営統合に向けた措置差し止めの仮処分を申請することなどを視野に入れているとみられる。

オーケーは関西スーパー株式の約7%を保有する第3位株主で、関西スーパーにTOB(株式公開買い付け)を提案していたが、総会でH2O系食品スーパー2社との統合が僅差で可決されたのを受け、提案を取り下げる意向を表明していた。

総会は裁判所が選んだ弁護士が手続きの正当性などを調査するための検査役を務めていた。オーケーの説明によると、検査役が11月5日にまとめた報告では、総会の当時の動きとして「集計作業室において、いったんは本経営統合に係る議案が僅差で『否決』となる集計結果を確認したものの、その後、関西スーパーの判断によって一部の『「棄権』の投票の取り扱いが『賛成』に変更されたことにより、その結果が覆され、僅差での『可決』になった」と説明されていたという。

具体的には、総会の当日、関西スーパーは議決権行使の意思を示すマークシートに記入がない場合は「棄権」として扱うと再三にわたり株主に説明していた。しかし、集計作業の際、関西スーパーの代理人弁護士から検査役に対し、ある株主が本来は「賛成」する意図だったがマークシートを白紙で提出してしまったため、どのように自分の議決権行使が扱われているのか確認したいとの申し出があり、関西スーパー側の判断として当該株主の議決権行使を「賛成」として取り扱うことにしたとの趣旨の説明があったという。この結果、議案は僅差で可決となった。

オーケーは、外部の弁護士や株主総会実務に詳しい専門家に聞いたところ、上場企業における公正な株主総会の運営の在り方として、投票を締め切った後に特定株主の投票内容のみを自社に有利な内容に変更させること自体決してあってはならないとの意見で共通したことなどに言及。「本経営統合に係る議案は本来『否決』となるべきにもかかわらず、その結果が恣意的に歪められたものに他ならない」との結論を示した。

(藤原秀行)

オーケーが公表したプレスリリースはコチラから(同社ウェブサイト)

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